遅ればせながら、明けましておめでとうございます。寒い日が続きますが、本年もホットでディープな戸隠の情報を発信して参ります。
どうぞよろしくお願い致します。
さて、七草粥もいただいて、お正月ぼけをリセットしたところで、まっているのは三連休ということで、これからが食べ頃の冬のグルメ特集「
おら家(おらっち)の逸品」の続編です。
今回は、越水高原で昨年創業30周年を迎えたカフェレストラン「
パイプのけむり」にお邪魔しました。
靴やブーツを脱いで、内扉を開けると、ジュータン敷きの店内にはテーブル席が12席、カウンターに6席。オーナーの高木進一さんが優しい笑顔で迎えてくださいました。
このお店の「逸品」はビーフシチューセット(はるにれ)。
お料理が運ばれてくるまでの間、オーナーにお話を伺いました。
窓辺には団伊玖磨の名エッセイ「パイプのけむり」が置かれていましたので、
店名は本のタイトルから?と伺ってみると、「直接はそうではないのです」
ヒントは学生時代の旅の経験から得たそうで、パイプは上昇するシンボルであり、パイプをくゆらすようにゆっくり、ゆったりとした時間を少しでも過ごしてほしいという思いから。
日本各地や近隣諸国を寝袋とバックパックだけで旅したという高木さん。
旅をつづける中で、キャラバンシューズを脱いで素足になったときの解放感がなんとも心地よかったことから、自分のお店では、靴を脱ぎ、直に上がってもらうスタイルにこだわったそうです。スリッパもないので、まれに冬など「靴を脱ぐのぉ~?」と帰って行くお客さんもいるとか!?
興味深い裏話はこの辺にして、お料理の紹介を。
まずは前菜「自家製ベーコンのソテー」をいただきましょう。
オーナー手作りのベーコンは、柔らかく、程よい脂と塩加減で、滋味深いおいしさ。
燻製は遊びで始めたというオーナー。商品になるまでは試行錯誤を重ね、桜とミズナラを混ぜたチップを使っているそうです。
ベーコンの脂でソテーしたりんご、プルーンはほんのり甘く、ベーコンの付け合わせとして絶妙な役割を果たしていました!
お次は、メインディッシュのビーフシチューとクロワッサン(ライスも可)。
見た目はさらっとしたスープのようですが、口に運んでみると、クリーミーな舌触り。ソースに溶けた野菜の甘みとコクが口中に広がります。
タマネギなどの野菜は細かく刻んだオーナー手作りのベーコンと一緒によく炒め、よく煮込み、丁寧に野菜の持っている甘さを出すようにしているそうです。牛肉は脂と赤身のバランスがよい三枚肉を使用。肉の脂がとろみとなって生クリームのようなクリーミーさを感じたのではないかと、オーナー。知人に頼んで焼いてもらっているというクロワッサンは、あっさりとした食事パン風で、シチューとの相性もばっちりでした。
お腹もすっかり満たされたところですが、別腹で食後のデザートを。
まずは、ヨーグルトシャーベット。
シャリシャリの食感で、後味さっぱり!
寒い日に、温かい部屋でシャーベットをいただくなんて、最高の贅沢ですね☆
そして、締めはコーヒーとケーキ!
本日のケーキの中からおすすめの「りんごとくるみの木」を注文しました。
香ばしいくるみのコーティングの下に、ふんわり、しっとりとした食感のケーキ。りんごの甘みが感じられるやさしい味で、大きなりんご(フジ)はあえてシャキシャキ感を残しているそう。
戸隠周辺で採れたものを使ったケーキづくりはパイプのけむりの原点だとオーナーは語ります。
特に、戸隠のおいしいジャガイモを使ったケーキは、30年のロングセラーで、お店のケーキ作りの基本になっているとのこと。次回はぜひ食べてみたいと思います!
ビーフシチューは単品(1,000円)でもOKですが、前菜に、パン、デザート2品と飲み物が付いたセットは2,000円で断然お得!
また自家製カレーのセット(1,300円~)も人気だそうです。スキー場やご参拝の帰りに、おススメです。
最後に、心地よいボサノバのBGMや店内の絵について尋ねると、
BGMはアコースティックギターの第一人者佐藤正美さんのCDで、佐藤さんはパイプのけむりの常連客でもあるそう!昨年は創業30周年を祝い、「戸隠パイプのけむり」という作品を書き下ろし、ライブ演奏をしてくださったそうです。この楽譜はそのときに贈呈されたもの。
壁にかけられた水彩画は、奥さんの作品!
色彩が素晴らしく、見入ってしまいました。(トップの随神門の風景も同)
高木さんご夫妻の手づくりと笑顔に出会える「パイプのけむり」へ、ぜひお出かけださい。