こんにちは。この春は寒暖の差が激しく、季節外れの降雪に驚かされたりと、
人間たちが翻弄されているうちにも季節は巡り、気がつけば山の木々が萌葱色の衣をまとい始めました。
戸隠森林植物園や
戸隠神社奥社周辺には残雪がありますが、
大勢のお客様が戸隠の自然を楽しみに訪れるグリーンシーズンの到来です。
今回は、観光客の皆さまにとっては秘境ともいえる、旧柵村(しがらみむら)の里山にて
4月26日に行われた戸隠を知る会主催「草摘みの会」の潜入レポートです。
戸隠へお嫁に来て驚いたことのひとつが、冬の間はたくわんや野沢菜漬けの指定席だった食卓が、
春の訪れとともに緑色の山菜で埋め尽くされることです。
この時季、スーパーで野菜を買う必要などありません。
小一時間も歩けば、立派なおかずのネタを仕入れることができるのです。
さて、今日はどんな珍味に出会えるでしょうか?
旧柵小学校を利用した
戸隠地質化石博物館から出発。
これぐらい伸びたフキノトウも茎を油炒めなどにすればおいしく食べられるそう。
カンゾウ(甘草)。漢方薬に使うのは根っこですが、今日はその名の通り甘みのある葉をいただきます。
土手に生い茂るアサツキ。
茎が赤っぽく、根がらっきょう型なのがアサツキ。
葉っぱが垂れるように伸びているのはノビル。根は丸型です。
食べられる木の芽シリーズ
①アケビ。お浸しにして美味。採ってしまうのは可哀想な気もしますが、「少しだけ分けてください」と声をかけながら。
②ハリギリ。トゲに気をつけて。
③タラノメ。最近は畑で栽培する人も増えています。
④コシアブラ。山菜ファンに人気の木の芽、天ぷらにして食べるにはあと一週間ぐらい待ちましょう。
杉林の下に、ぽっこりきのこを発見!食べられるかどうか、ひとつ採って持ち帰ることに。
こちらは食べられない「ドクゼリ」。
こちらも食べられませんが、お花のようなコケ。
オオウバユリの地下茎はユリネのようでおいしいそうですが、手掘りでは根が深すぎて採れませんでした。
茎から上を頂いて、試食してみることに。
地面を掘り返した跡が出現! 山菜の乱獲?
いえいえ、イノシシが土の中のミミズを探しに来たようです。
収穫物を旧家庭科室に持ち帰り、仕分けしてみると......計16種類。大漁です!!
内訳はアサツキ、アミガサダケ(持ち帰ったキノコ。食用可でした!)、アケビの新芽、オオウバユリ、カンゾウ、ギシギシ、コゴミ、コシャク、タラノメ、タンポポ、ツクシ、ノビル、ハリギリ、フキ、フキノトウ、ヨモギ。
別に用意していたエビやイカ、卵を合わせて調理の開始です!
ちなみに、今日の会のメンバーには宿坊や民宿のご主人も。
限られた機材と材料で手際良く調理が進みます。
山菜はごみ取りなど下準備に時間がかかりますが、小一時間で見事に10品程の料理が出来上がりました!
おいしいと評判だった一品をご紹介。
アサツキのふわふわ卵とじ。(料理長曰く、出汁を入れるのがふわふわに仕上げるポイント!)
カンゾウの酢味噌和え。(味噌+酢+砂糖+出汁)
フキノトウ(茎)の油炒め。
春の恵みの天ぷら盛り合わせ。
アケビの新芽のお浸しは、ほんのり甘く、滋味深い味わいでした。
ちなみに、一番不評だったのはオオウバユリの葉のお浸し。
衝撃的な苦さでした!(茎の天ぷらはまずまず食べられましたが)
普段「雑草」とひとくくりにまとめてしまう草花も、こうしてひとつひとつ調理し味わってみると意外な発見があります。
山菜はアクが強いので、食べ過ぎるとよくないといわれますが、
毎日少しずつ取り入れていれば、お腹もスッキリ!天然の健康食です。
改めて、山の恵みに感謝した一日でした。
※戸隠森林植物園や戸隠神社周辺など上信越高原国立公園に指定されている場所では、山菜採りはできません。
おまけ。(ボクがどこにいるかわかる?)