戸隠で鳥を極める!

toga

2013年05月30日 12:47


こんにちは。昨日は観測史上3番目に早い梅雨入りということで、雲の中にすっぽり入った戸隠です。
恵みの雨とはいえ、暑くもなく寒くもない、一年で最も爽やかな日が、今年はほんの数日しか続かず、異常気象に翻弄されているのは人間だけではないでしょう。
それでも、田植えの始まった田んぼから聴こえてくるカエルの大合唱や、
新緑の森で子育て真っ最中の野鳥たちに出会うと、ほっとします。

ということで、今回は戸隠地質化石博物館で開催中の「鳥の世界展」を見て参りました。

言わずと知れた野鳥の宝庫・戸隠。
展示室に入る前にまず目を奪われたのは色とりどりの鳥の羽根を一斉に並べた標本。

戸隠内で事故に合う等して運ばれて来た死骸をスタッフが丁寧に解剖し、一枚一枚分解して並べたまさに実物の野鳥図鑑
なかには全国的にも貴重なアカショウビンの標本も!なんでも、戸隠公民館のガラス窓にぶつかってお亡くなりになったそうです。

展示室内には、戸隠森林植物園で録音した野鳥の囀りが流れ、リラックスできるか...と思いきや、先に入った娘(年中)の奇声が!

それもそのはず。娘にとっては初めての、自分より大きい鳥の剥製がぞろぞろ。
1歳半の息子に至っては、母の腕にぎゅっとしがみつき、初めは声も出ませんでした。
こちらは、古来、日本人に馴染みの深いツル。

山水画等で「鶴」として描かれたものに、松の木の上に巣籠る鶴の画がありますが、
実際、鶴は木の上に巣を作らないってご存知でしたか?
解説によると、モデルとなったのは「コウノトリ」ということ。
今や絶滅危惧種のコウノトリさんですが、昔は鶴と間違えるくらい、よく見かける鳥だったということ!?

ちなみに上の剥製は豊野中学校で昭和32年頃から「鶴と亀」として所蔵されていたもの。実はコウノトリだったということが、最近になって発覚したそうです。

こちらは、珍しいトキの剥製。
長野高校からこの企画展のためにお借りしてきたそう。だいぶ年季が入っていますが、制作年等は不明です。


珍しい鳥たちの共演はまだまだ続きます。
全国的に貴重で、以前戸隠でも見られたことがあるヤツガシラ。
冠のようなヘアースタイルが個性的!

長野市城山動物園でお役目を終えた仲間たちも、博物館で剥製となってまだまだ活躍中。
インドクジャク。羽根を広げるのがさぞ大変だったと思われます。

こちらのペリカンは、動物園の飼育係さんの思い入れが強く、飼育係さんが自ら手がけたそう。


剥製部屋にて、唯一(?)微笑ましかった展示がこちら。

取り壊しになった保育園のポストの中に作られたスズメの巣。
中を覗けるのも、ポストならでは。


初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、学芸員さんのおもしろい解説をきくうちに、緊張がほぐれた様子。
最後には「もう行くよ」と言っても、なかなか立ち去ろうとしないほど、面白がっていました。

鳥類の祖先は恐竜、恐竜の子孫が鳥類....。
太古のロマンに思いを馳せられる、戸隠地質化石博物館。
「鳥展」は6/2まで。お急ぎください!

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