2015年06月22日

奥戸隠池めぐり。


こんにちは。二十四節気の夏至を迎えました。雲間に太陽が顔を出したかと思えば、突然の豪雨...表情豊かな梅雨空が続いています。
さて、今回は先週6月19日(金)に行われたウォーキングイベント「戸隠旬ウォーク」のレポートです。
「奥戸隠池めぐり」と題した今回のコースは、昨年同様戸隠キャンプ場入口から念仏池、そして黒姫登山道入口の種池、古池をめざすもの。
※昨年のレポートはこちら

ガイドはおなじみ山の庭タンネの里野晋吾さんです。

6月としては肌寒く、予報では午後から雨のあいにくの空模様でしたが、集まった15名の参加者の中には、昨年からのリピーターの方も多く見え、皆さん元気に出発です!
キャンプ場の登山者用駐車場から、越後道と書かれた林の中へ。

木道を数百メートル歩くと、小さな池が現れました。

ご存知、親鸞上人縁の念仏池。この時期としては藻も少なく、水面が澄んでとてもきれいでした。
皆さん「いっせーのせ!」でジャンプして、水が湧き出る不思議を体験。


その後は、県道を信濃町方面へと歩いてゆきます。

舗装路ではありますが、雨に濡れた緑の街道をハルゼミやカッコウ、カエルの鳴き声に耳を傾けながら歩くだけで、リフレッシュ効果は絶大です。
道中のおしゃべりにも花が咲きました。
今回の参加者の中で一番遠方、愛知県からの女性は、「戸隠は神社の御神域の部分とトレッキングなどの自然が一度に体験できて、それらをミックスすることでより深く楽しめる」と戸隠の良さを語ってくださいました。
また、昨年からのリピーターの長野市内在住の女性は、「この旬ウォークに出るようになって、歩くのが好きになり、だいぶ足腰が強くなった」とおっしゃっていました。お花を見るのも楽しみで、今回は以前にブログの中で紹介した「ギンリョウソウ」が見たくて参加したと話していただき、このブログが多少なりとも読者の胸に響いたかと思うと、大変嬉しく、励まされました。
県道沿いで出会った草花。
珍しい緑の花、オゼタイゲキ(トウダイグサ科)

ノコギリソウ(キク科)

タニウツギ(スイカズラ科)

ヤブデマリ(スイカズラ科)


15分程で、市町村境の大橋を通過。天気がよければこの橋から戸隠表山一不動の辺りがよく見えますが、この日は雲に覆われていました。

黒姫山西登山道入口から森の中へ分け入ります。

道の両脇は刈り払われていましたが、木道は昨年の豪雪の影響か壊れている部分が多いので、ゆっくりと進みます。

ズダヤクシュ(ユキノシタ科)

根曲がり竹(チシマザサ)が繁茂する森の中を20分程歩くと、雨乞いの池・種池に到着!

中州に白い花が咲いているので、双眼鏡を持っている方にお借りしてみましたが、正体は不明。ギボウシのような前下がりの花でした。

ぽつぽつと小雨が降り出したので、足早に種池から古池へ向います。
あいにく、黒姫山は雲の中....ですが、晴れていれば眺望抜群の古池です。

里野さんの「少し休憩しましょう」という声を聴くが早いか、腰を下ろすおばちゃん達は地元(中社地区)の仲良し4人組。

おばちゃんお手製のフキの砂糖がけをお裾分けしていただきましたface05

空には黒い雲がかかってきましたが、甘いおやつで気を取り直し、池のまわり一周ツアーへ。
里野さんの説明によると、古池は黒姫山火山帯にあり、お釜状の地形が、固有種を守り、他の場所では見られないような珍しい植物を育んでいるとのこと。
そこはまさに、生き物の宝庫でした。
天然記念物で絶滅危惧種にもなっているモリアオガエルの卵

ベニバナイチヤクソウ(イチヤクソウ科)

レンゲツツジ(ツツジ科)

サワフタギ(ハイノキ科)

そして、今年も登場icon12
ギンリョウソウ(銀嶺草/イチヤクソウ科)

別名ユウレイダケとか、お化け花とも呼ばれるこの花が白いのは葉緑素を持たないため。群生する姿は、まるでムーミン谷の「ニョロニョロ」のよう。


葉っぱの上にはアゲハチョウの幼虫。

水面に泳いでいるのは、セミ!face08

皆さんたっぷりと自然観察や撮影を楽しみながら池のまわりをゆっくりと一周したところで、少し早いランチタイムに。

里野さん自らが作ったお弁当。しっかりと味がしみ込んだおかずは、家庭では真似できない味face05おにぎりを3つ食べられるかな...と思いながらも、自然の中で食べるおいしさの余り、気がつけば空っぽにface02
そして、図ったかのように、皆がお弁当を食べ終わる頃に、雨がぽつぽつicon03予定より少し早く帰路につくことになりました。
途中から本降りになったため、撮影はここで終了。雨にも負けず、よく歩いた皆さん。
約40分後、無事キャンプ場入口に帰着した後に解散となりました。

この時期、この場所でしか出会えない〇〇を探しに、皆さんも出かけてみませんか?その際は雨具や防寒具の用意をお忘れなく。また、今回歩いたコースを含む林野は大型の野生動物の棲息地でもあります。なるべく複数人で行動し、クマ鈴等の携帯をお勧めします。




  


Posted by toga at 23:03Comments(3)自然イベント周辺観光

2015年06月08日

神道をゆく2〈火之御子社〜宝光社〉


こんにちは。久しぶりの更新となりました、この間、戸隠神社の式年大祭・善光寺の御開帳という特別な期間が終わり、日常に戻った戸隠です。
ほとんどの田んぼでは田植えが終わり、ハルゼミとカエルの合唱、ホトトギスの鳴き声に草刈りビーバーの機械音、アカショウビンの声を聴いたという話も。
いろいろな「音」が夏を知らせてくれます。

樹々の緑も日に日に濃くなるこの時期、森林浴には最高の季節です。
さて、今回は「神道(かんみち)をゆく」の後編、戸隠神社火之御子社〜宝光社までの約800メートルの道のりをご紹介します。

冒頭の写真は宝光社から火之御子社・中社への道標ですが、今シーズンは中社から宝光社へ下っていかれるお客様が多く見受けられます。
ということで、火之御子社のご参拝の後は、境内左奥にあるトイレの脇から再び神道へ。

進行方向は左。

雑木林の間の砂利道を歩きます。木漏れ日を楽しみながら。

左側の脇道は小鳥の森遊歩道。少し鬱蒼としていますが、その名の通り、樹間を歩けばたくさんの鳥の鳴き声に包まれます。

直進すると右側にあるのが伏拝所です。

大きな杉の木の前、何やら神聖な気配を感じるこの場所は、その昔、奥院(戸隠山顕光寺)から地蔵菩薩の御正体が飛んできて、「女人禁制で奥院に参詣できない女性のためにここから奥院を拝むように」と人々に告げた場所だと伝わります。
NHK長野放送局が昭和8(1933)年に初めてここから野鳥の鳴き声を全国に中継したことを記念する「小鳥の声放送記念碑」も建っています。
今はご覧のとおりの景色ですが、昔はここから奥社が見えたそうです。

伏拝所を後に、しばらくは明るい雑木林が続きます。

薄暗い杉林に入ります。

左側が斜面になり、坂を下っていきます(ところどころ階段状に整備されている歩きやすい道です)。

坂を下ると、少し明るくなり、行く手に宝光社の社殿が見えてきます。

戸隠神社宝光社に到着です!ゆっくり歩いて15分。
夏場は野生動物も活動的になりますので、鈴など音の出るものを携帯し、なるべく複数人でお歩きくださいね。

神社の境内にはこんなかわいらしい花が群生していました。アマドコロ。