2014年09月22日
戸隠で乗馬体験

こんにちは。黄金色の稲穂が実った田んぼでは稲刈りが行われ、小学校では運動会。秋まっさかりの戸隠です。
休日が多い秋はイベントが盛りだくさん。
ですが、小さなお子さんがいるご家庭では、休みの度にお出かけ先に悩む方も多いかと思います。
お仕事の都合で、家族そろって休めないこともありますよね。
我が家もそのパターン

先週末は、家にいればけんかしてばかりの姉弟を解き放つべく、戸隠牧場へ出かけました。
青空の下、キャンプ場と牧場にはファミリーやカップルのお客さまがたくさん。
子供たちは昨夏の「戸隠で夏休み」以来の牧場に、大興奮!
馬の干し草置き場(写真手前)も新設されていて、馬との触れ合いがより楽しめるようになっていました。
馬といえば、今日の目的は乗馬体験

この看板も、目新しい!「チビッコ乗馬」の戸隠乗馬倶楽部はふれあい小動物園から100メートルほど坂を上った所にあります。
子供たちを乗せてくれるのは、ポーラスター(♂6歳、通称ポーくん)。
引き馬をしてくれるのは、前回の旬ウォークにも登場、山岳ガイドでもある村田幸恵さんです。

「足のツメが大きいね」という娘の疑問に、「お馬さんのツメは中指が大きくなったんだよ」と解説してくださっているところ。
(娘)「ツメが伸びたらどうするの?」
(村田さん)「ヤスリで研ぐんだよ」
(娘)「いたくないの?」
(村田さん)「人間のと同じで痛くないよ」
ポーくんの後から馬場に入り、踏み台に乗って、馬の背中へ。

初めてなのに、物怖じせず馬の背中にまたがった娘は、ポーくんと同じ6歳。
ただ、馬の年齢は人間の年に4をかけるということで、人間でいうともう24歳。働き盛りのお兄さんといったところでしょうか。
ゆっくりゆっくり歩いて、一周り約10分。
乗馬中も村田さんが緊張をほぐすおしゃべりをしてくれたようで、終始笑顔の娘。
感想をたずねると「たのしかった」の一言でしたが、貴重な体験だったに違いありません。
弟(2歳9ヶ月)の方は、「こわい、のらない」の一点張りで、ベンチに座って姉の姿をじっと見ていました。
村田さんいわく、男の子は小学生になるまでは9割方の子が乗りたがらないそうです。
性格の問題ではなく、動物としての本能が危険を伝えているのか、とにかく、慎重なんですね

乗せてもらった後は、草でお礼。長い草が好きということで、根こそぎ抜いてきたヨモギをあげる娘。
ポーくんは噛み切れない根っこの部分だけはちゃんと、口から出していました。
戸隠乗馬倶楽部の営業は10月13日(月祝)まで。
子供1,000円、大人1,500円で乗馬体験をお楽しみいただけます。
今日ご紹介したポーくんの他に、もう1頭(サラブレッド)の牡馬が交代でお相手してくれます。
ぜひお出かけください!
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2014年09月09日
戸隠旬ウォークレポート4・戸隠古道一之鳥居〜宝光社
こんにちは。昨夜は中秋の名月でしたね。戸隠ではよく晴れて、月灯りの下でお団子をいただくことができました

ただ、朝晩ぐんと気温が下がるようになりましたので、お出かけの際の服装にはどうぞお気をつけください(という私も風邪をひきました

さて、今回は9月5日(金)に行われた「第4回戸隠旬ウォーク」のご報告です。
当日は小雨模様でしたが、お申込いただいた21名の皆さま全員が、一之鳥居苑地駐車場に集合しました!
ガイドは戸隠小舎のご主人でプロスキーヤーの佐々木常念さんと、戸隠牧場で引き馬などもしている村田幸恵さん。
お二人とも戸隠生まれ、戸隠育ちの、ベテランガイドさんです。
準備体操の後、集合写真を撮って、元気に出発です!
人数が多いので、2チームに分かれて歩きます。
私は村田さんチームにお邪魔しました。
一之鳥居苑地からカラマツとアカマツ林を抜け、約5分で戸隠神社一之鳥居跡へ。
戸隠神社の元神領(千石)の入口として、18世紀末に大規模な石の鳥居が建造されましたが、弘化4年(1847)の「善光寺地震」で倒れ、今はその一部が残っています。
その後、明治時代に、奥社から運んだ大木で木造の鳥居が建てられましたが、老朽化して昭和60年(1985)に取り壊されたそうです。
鳥居建設の奉行を努めた中社の極意家(宿坊極意)には大木を乗せて曳いた大ぞりが残り、石の鳥居柱の一部も残っていると、ガイドさんから詳しい説明がありました。
また、この場所には『戸隠古道拓本集印帳』の最初のポイントがあり、拓本をとる参加者もいました。

今回、地元から参加してくださったフランススキー学校の小林校長先生からは、
「おれがこどもの頃にはこの辺に売店が立ってた」という貴重なエピソードもきかれ、往時に思いを馳せることができました。
一之鳥居付近は、最近数少なくなったマツムシソウの群生地でもあります。
神領に入ったとたん、ぽつぽつと雨に出迎えられたご一行。傘をさしながら古道を歩きます。
一之鳥居から奥社までの道標となる丁石(ちょういし)の、はじめの「一丁」。
ちなみに、一丁(町)は約109メートル。宝光社までが43丁(4.7km)、中社までは53丁(5.8km)、中社から奥社までが36丁(4km)です。
一之鳥居から七丁で大久保に到着。
大久保の茶屋の裏山に咲いているこのお花は、フシグロセンノウ。ビビットカラーなので、一見園芸種のように見えますが、在来の山野草だということを、ガイドさんの説明で初めて知りました。
ここは善光寺からの戸隠表参道と、柏原(信濃町)からの戸隠下道が合流する交通の要所。江戸時代にも二軒の茶屋がありましたが、当時は蕎麦ではなく、「力餅」が名物だったそうです。
「こちらへどうぞ」とガイドさんが案内してくれたのは、大久保西の茶屋の主屋の背後にある岩屋。
岩と岩の間に「龍のしっぽ」と呼ばれる穴があり、一説によると戸隠山の九頭龍権現がこの穴を出入りしていたということ。
「岩戸里宮」として、九頭龍権現を祀っているそうです。
私有地なので、参拝される方は、大久保西の茶屋さんに一声かけてお入りください。
九頭龍権現様にご挨拶したところで、効果覿面!?雨がザーザー降ってきました

晴れていれば野鳥や虫の声が聞こえ、山野草も楽しみな遊歩道ですが、傘をさしながら早足で進みました。
祓沢のそば展望苑に到着。
戸隠連峰は霧にかすんでいましたが、一面に広がるそば畑を初めて見たという方は、
「晴れたときにまた来たい」といいながら写真を撮っていました。
祓沢にはその名のとおり、戸隠信仰の修験者達が禊ぎをしたといわれる沢があります。中院道と宝光院道の分岐点を示す道標がありますが、上部には大きくえぐられた跡が。明治の廃仏毀釈で梵字が削られたということです。

「左宝光(院)御宮迄十二丁
徒夫中(院)御宮江通ぬけ」( )は削られています。

祓沢から先は石畳が敷かれ、戸隠の古き佳き時代の面影が残る古道です。
雨脚が強いので、もうひとつのビューポイント・湯之嶺夕陽展望苑はパス。晴れていれば戸隠連峰と北アルプスのパノラマを展望できるので、ぜひまた歩いてみてくださいね。
森の中の道を抜け、舗装路との合流点の先に「熊の石塔」が現れました。
大きな石を組み合わせた五輪塔。熊野信仰の跡だと伝えられています。
熊野古道を歩いたことがあるという参加者の方の話を興味深くききながら、宝光社を目指します。

ひとりでは心細いような鬱蒼とした杉木立の道ですが、「皆で歩けばこわくない」!
ギンリョウソウ(銀嶺草)が見事な白い顔を出していました。
雨にも負けず、いろいろな話をしてくれるガイドさん。
こちらの白樺の幹が黒くなっているのは....?
信州では「カンバ」でお盆の迎え火を焚きますが、戸隠では白樺の樹皮を使います。
白樺の樹皮は一度剥がすと再生せずに黒く残ります。幹が黒くなっている白樺があれば、そこは人が入った山という印だということです。
お昼を少し過ぎた頃、戸隠神社宝光社の鳥居に到着!
コケや緑が雨に濡れて一層濃く見え、晴れの日とは違った趣でした。
274段あるという石段をゆっくり上っての宝光社参拝は、なんだかとてもご利益がありそうです。

ガイドさんから来年は戸隠神社の式年大祭で、この宝光社の御祭神が御神輿に乗って渡御し、中社の御祭神とご対面するという説明がありました。
「渡御の儀」は平成27年の5月6日。楽しみですね!
参拝を終えて、お腹も空いてきた頃、武井旅館に到着。
雨の中の散策、皆さまお疲れさまでした!
築約300年の宿坊のお座敷でいただく女将さん特製の手打そば。
旬野菜の天麩羅や、煮物もとてもおいしく、雨に濡れた体が一気に癒されました

その後、女将さんから家宝の秘仏のお話、茅葺き屋根の葺き替えのお話など、ここでしか聴けない興味深いお話も伺うことができました。
現在、歴史まちづくり法の町並み整備事業が行われている戸隠宝光社・中社地区。
今年、長野市の景観風致建築物にも指定された武井旅館では、茅葺き屋根の葺き替え工事の真っ最中。
お隣、鬼無里と信濃町からの熟練の茅葺き職人の方が来て、7月から工事が始まり、今秋は西側の屋根を葺き替えるそうです。

こちらは、武井家の新たなお宝。
戸隠山の稜線等に咲く希少な高山植物「羽蝶蘭」で、宝光社には咲くはずのないこの花が、なんと、古い屋根の上に咲いていたそうです。
女将さんは、風に運ばれて根付いた貴重な一株を大事に育てたいとおっしゃっていました。
九頭龍権現様の歓待にあった今回のウォーキング。皮肉なことに食事が終わった頃には雨が上がりました

次回の戸隠旬ウォークは10月24日(金)。鬼女紅葉伝説が伝わる柵地区荒倉山塊を歩きます。乞う晴天!
2014年09月03日
戸隠秋花図鑑(2)
こんにちは。「涼しくなったね〜」「あっという間に夏が終わって」そんな会話が飛び交う秋のはじめ。
峰の上に雲が立ち、黄金色の稲穂が揺れ、とんぼが舞う戸隠の秋が、私は大好きです。
秋花図鑑第二弾は、バードライン沿い、「そば展望苑」から。
いわずと知れた戸隠連峰のビュースポット。8月中旬から咲き始めたそばの花は、今まさに満開。
間もなく実となり、10月末からの戸隠そば祭りの頃には、おいしいお蕎麦となって再び私たちを喜ばせてくれるでしょう。
お次は戸隠スキー場(越水ゲレンデ)へ。
第2リフトの下の斜面は、一見すると草ぼうぼう...ですが、変に人の手が入っていないのが素晴らしいところ。
少し歩くだけで、多種多様な草花と出会うことができます。

ツリガネニンジン/キキョウ科
アキノキリンソウ/キク科

オヤマリンドウ/リンドウ科
ユウガギク(キク科)とガマ(ガマ科)
奥の方には昔から戸隠の貴重な建築資材となってきた茅(ススキ)の茅場があります。
スキー場の茅場で昨年刈った茅を一部利用して、現在宝光社地区の宿坊旅館で葺き替え工事が行われています。
その様子は次回以降で詳しくお知らせしますね。
スキー場を後にし、高妻通りから戸隠キャンプ場方面へ。緑が少しずつ黄色っぽくなってきました。
キャンプ場の入口付近では、風に遊ぶトンビの声が聴こえました。
キンミズヒキ/バラ科
ノコギリソウ/キク科
ゲンノショウコ/フウロソウ科
締めくくりは、奥社参道・戸隠森林植物園へ。
この花を見ずに秋は迎えられません。
オオシラヒゲソウ/ユキノシタ科
夏の間、あれだけ賑やかだった野鳥たちは、もうどこかへ渡ってしまったのか、森の中はとても静か。
小川のせせらぎの音が、いつも以上に心地よく耳に響きます。
ヤマトリカブト/キンポウゲ科
いつ来ても、そのまま額に入れて持って帰りたいような自然の造形美にあふれている森林植物園。
フラワーアレンジメントをお勉強中の方は、一度、植物園の遊歩道を歩いてみてはいかがでしょうか

オオバセンキュウ(セリ科)とキツリフネ(ツリフネソウ科)
ツルニンジン/キキョウ科
サラシナショウマ(キンポウゲ科)