2012年12月22日

雪の下で春を待つもの。


こんにちは。年末が差し迫って来ました。
お忙しい皆様に少し、肩の力が抜ける話題を。

信州では年越しのことを、「お年取り」といい、新年に年神様を迎え、ひとつ年をいただきます。
先日、ある集いでお茶飲み話をしていた際、
「年をとるっていうのは、年を取られるんだから、どんどん若くなるってこんだよ」
「おれの場合は50で折り返したから今は40代、100歳になったら赤ん坊だよ、わっはは~!」

朗らかに、前向きに、年を重ねていきたいものです。
さて、今回は新春に向けて、お酒のお話。
山間地の戸隠には造り酒屋はありませんが、戸隠にお越しの方だけが味わえる
当地限定のお酒があります。それが、「戸隠雪中酒」。
搾ったばかりの新酒を雪中貯蔵したもので、戸隠のオリジナル日本酒を作ろうと、
平成19年の戸隠イヤーの際にスタートし、本年で7回目となります。
中社地区の地酒処 越後屋酒店さんにお伺いしたところ、
雪中の温度は±0℃。外気との対流もなく、湿度100パーセントで
お酒が熟成するのに最高の環境だそうです。
雪中で貯蔵することにより、新酒特有の荒さがとれ、
まろやかで喉越しのなめらかなおいしいお酒に仕上がるとのこと。

この雪中酒の蔵納めが、新年1月8日10時~戸隠神社宝光社境内にて行われる予定です。
どなたでも参加できますので、ご興味のある方はお足下にお気をつけてお出かけください。
蔵出しは4月上旬。
雪深い戸隠神社の境内で静かに春を待って熟成される雪中酒が今から楽しみです。
なお、品数に限りがありますので、ご希望の方は下記までご予約ください(価格は未定)。
問合せ先;戸隠雪中酒販売組合(地酒処 越後屋酒店、戸隠そば山口屋おみやげ処宝泉

もうひとつ、おまけ。
戸隠オリジナルのお酒として、ぜひご紹介したいのが、戸隠そば焼酎「玄(くろ)」です。
こちらは、おなじみ「戸隠つちの子会」の熱い思いから生まれた焼酎で、
原材料の米と蕎麦はつちの子会の畑で作った100パーセント戸隠産です。

製造は「天山戸隠」で有名な芙蓉酒造協同組合に委託し、
平成21年以来、毎年限定約400本を生産しています。価格は一本(720ml)3000円。
お求めは中社地区の越後屋酒店へどうぞ。


さいごに、本年の発信は今回でおしまいになります。
これまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
新年も、よりフレッシュな話題をご提供していきますので、どうぞご期待ください!  


Posted by toga at 12:14Comments(0)文化

2012年12月17日

戸隠の甘いもの。(その3)


こんにちは。気がつけば師走も半ば。
戸隠では今月初めの寒波により、雪との共存生活が始まっております。
降雪、除雪、融雪、凍結また降雪…冬将軍との追いかけっこはこれから3月下旬まで続きます。
吐息も凍るような寒い日でも、温かいコーヒーを飲みながらほっと一息できれば、幸せですね。
ということで、お待ちかね!「そばスイーツ」シリーズ第3弾をお届けします。

今回訪れたのは、戸隠中社地区の老舗喫茶店「喫茶ランプ」。
店内の本棚には谷川俊太郎さんが選んだ100冊の詩集、
くさのだいすけさんが選んだ200冊の絵本があり、
詩と絵本のお店として、おなじみの方も多いでしょう。

薪ストーブとランプと温かいコーヒー。
このお店には、冬がよく似合います。
じっくり煮込んだ特製インドカレーもおすすめですが、
そばスイーツとして今回ご紹介したいのが、そば粉の焼き菓子「サラザン」です。

しかも、使用しているそば粉は100%戸隠産!
前々回にご紹介した戸隠で商売を営む有志の会「つちの子会」が運営する畑で収穫したものだそうです。
外はサックリ、中はしっとり。
口に含んだ瞬間にバターの風味とそばのやさしい甘みが広がります。
コーヒーやお茶との相性は抜群!
箱詰めにしてお土産として買われて行く方も多いそうです(1個150円)。
(賞味期限は焼き上がりの日から3週間程、通信販売はしていません)

素敵なアンティークのランプが複数吊り下る店内。

以前は貸し切りイベントやお客様の要望に応じて灯を入れていたということですが、
残念ながら昨年の長野県北部地震以来、安全のためにディスプレイのみにしたそうです。

お菓子やケーキを焼いているのはオーナーの娘さん。
お子様連れのお客様がご来店の際、時間が空いていれば、
サービスで絵本の読聞かせをしてくださるそうです。

戸隠神社ご参拝や戸隠スキー場のお帰りに、戸隠ならではのスイーツをお供に、
静かでゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょう?
  


Posted by toga at 08:56Comments(4)そばスイーツカフェ

2012年12月06日

戸隠雪乞い祭りレポート


こんにちは。
師走を迎え、本格的な冷え込みが始まると同時に、野沢菜漬けが食卓に上がる時季になりました。
皆さま、お風邪などひかれていませんか?

今回は、少し遅くなりましたが、12月1日土曜日に行われた戸隠雪乞い祭りの様子をご報告します。
当日は、前日までの好天が嘘のように、未明から大荒れの空模様。
午前8時半に戸隠神社中社の気温はー5℃!
「こんだけ降ってれば乞わなくてもいいんじゃ…」という声も(笑)。
水を汲む(“お借りする”というそうです)スタッフは防寒着の上に白装束を着込み、
意を決して信濃町の種池へ向いました。

黒姫山の麓にある種池は、古来から干ばつの年にこの池の水を汲んで
戸隠神社に雨乞いを祈願するとその里には必ず雨が降ると言い伝えられている池です。

降りしきる雪の中、雪に埋もれた道なき道をずぼずぼと進むこと15分。
すっかり凍結し、真っ白な雪原と化した種池が現れました。


池の前にある岩に、即席で祭壇を設けます。

池の氷を割り、桶2杯に水を汲みました。

お借りした水を祭壇に挙げ、戸隠神社の神官が祝詞を奏上、
スタッフが玉串を奉納し、お水借りの神事がひとまず終了しました。

お水を汲んだ白装束のスタッフは、この後、スキー場でのお水撒きが終了するまで
しゃべることも、後ろを振り返ることも禁止されています。
このしきたりは、戸隠神社の二年参りで行われる「無言の行」の流れを汲んでいるそうですが、
雨乞いの為にこの地を訪れたという先人達に至っては、自分の村に帰るまでこの禁則があったということ。
それだけ、神聖な儀式なのです。

雪中から掘り出し、お借りして来たお水は一旦戸隠神社中社へ。
本殿にて、清められました後、戸隠スキー場越水ゲレンデへ運ばれました。

例年は祭事の最中に吹雪に見舞われることはないのですが、
今年は関係者約30名が柄杓でお水を撒く頃には、猛吹雪!

髪の毛も凍り付くような寒さの中、
「雪よ〜ふれ〜」などと声をあげながら水を撒く姿は滑稽とも思えましたが、
スタッフのの懸命な思いは大神様に伝わったはず。
今シーズンは最高の「魔法の粉雪」が期待できそうです!?


戸隠スキー場はいよいよ今月15日オープン。
今シーズンはお得なリフト券付き宿泊パックもご用意しております。
ぜひ、ご家族・ご友人の皆様でお出かけください!


  


Posted by toga at 15:00Comments(0)イベント