2016年02月18日
戦国武将と杉並木

こんにちは。2月中旬の雨で雪融けが始まったかと思えば、翌日は雪が降ったりと、体の調子もおかしくなってしまいそうな天気が続く戸隠です。
上の写真と下の写真、戸隠地区内で連続する2日間に撮ったものです(撮影地の標高差はありますが)。

さて、1月から始まった大河ドラマ「真田丸」は、ご覧になっていますか?
冒頭のタイトルバックに戸隠の鏡池と奥社杉並木が登場すること、そして、舞台が信州であるということだけでも、戸隠人ならびに、長野県民の方々にとっては、注目度の高い番組となっています。
さて、鏡池の方は真田家の物語と直接的には関係ありませんが(生涯城を持たなかった真田信繁(幸村)の理想の都を想像し、県内各地の風光明媚なスポットを組み合わせて表現したとか)、戸隠神社奥社参道の杉並木の歴史とは、少し関わりがあるのをご存知でしょうか。
戦国の動乱の時代、信濃の国は越後の上杉家と甲斐の武田家の五度に及ぶ戦争の渦中にありました。戸隠も例外ではありませんでした。
霊山・戸隠は両家にとって政治的な要所。戦禍を逃れるため、一時は衆徒が山を離れ隣村に疎開を余儀なくされた歴史もあります。
その後、武田家が滅亡し、本能寺の変を経て、戸隠山が上杉方にあった文禄元(1592)年。
豊臣秀吉より朝鮮出兵を命じられた上杉景勝は、春日山城に滞在していた戸隠山別当の賢栄に戸隠大権現へ戦勝祈願を奉納させます。
第一次朝鮮出兵は1594年末に一旦講和。無事帰還したことの御礼として戸隠山の復興を行い、その際に多くの杉を寄進したと言われています。

立春前日、奥社参道にて(写真提供:studio yukey)
豊臣秀吉が世を去った慶長3(1598)年、徳川家康に反発した上杉景勝は、会津へ。戸隠山は徳川家の支配下となります。
慶長16(1612)年には、「戸隠神領」として千石を寄進された戸隠。同時に幕府により「戸隠山法度」を賜り、戸隠山顕光寺は修験道から天台宗の寺院として改められ、新たな時代を迎えました。

上の写真は、その当時から神社として祀られていた火之御子社。
火之御子社の神職を代々務めていたのは、江戸時代以前に戸隠山の別当も出したことのある家柄の栗田家(山栗田)です。
幕府からの千石のうち、二百石は栗田家が受け取っていたことも知られています。
〜大杉や 兵(つわもの)どもが 夢の跡〜
戦国の歴史を見てきた戸隠の大杉。兵たちが去った今もなお、私たちの営みを見守ってくれている、貴重な存在です。
2016年01月06日
戸隠の松の内。

こんにちは。松の内が過ぎましたが、遅ればせながら、新春のお喜びを申し上げます。
これほど雪のないお正月は、戸隠へ嫁いできて初めての経験。「楽でいいね」と、地元の人はいいますが、なんだか物足りないのもたしか。
それでも大晦日に年神様が連れてきた雪は、子供達にとっては、願ってもないお年玉


初詣は3ヶ日を外して、戸隠神社へ。
今年は子供と女性の護り神と言われる宝光社へ参りました。
雪の多かった昨年のお正月は子供連れで参道の石段を上るころは不可能でしたが、今年はご覧のとおり。

季節を間違えたのではありません。これも自然の姿。
ひとまず、寒さに震えることなくお参りできたことに感謝。
何度見ても飽きないのは、社殿の彫刻。

幕末の宮大工・北村喜代松が残した文化遺産です。
参拝のあとは、もちろん戸隠そば。

こちらは、「おら家の逸品」キャンペーンにも参加しているそば処千成の「鬼除けまぜそば」。鬼除けの納豆に、四方を固める(四方除け)のはとろろ、野沢菜、ネギ、かつお節。
温泉卵でスタミナばっちり、食べ応えも充分です!
来週末1月16日(土)には毎年恒例戸隠どんど焼き祭りが行われる戸隠。
雪を待っている方も、そうでない方も、初詣と併せ、冬ならではの逸品を味わいに、ぜひお越しください。
2015年12月10日
師走の青空

こんにちは。暦の上では「大雪」を過ぎ、冬も本番!と覚悟を決めたところ、この冬のお天道様はサービス精神が旺盛のようで、今日も快晴

新月が近いので、夜は天空にまたたく星の美しささもひとしお。寒さに目をつぶれば素晴らしい発見がある戸隠の冬です

この時期のお客様のお問い合わせとして最も多いのが、「道路の雪は?」というもの

ということで、12月9日現在の積雪の状況を写真とともにお伝えします。
まずは、飯綱高原の大座法師池付近。善光寺から七曲がりを経て標高差600Mほどの高原ですが、路肩に10cmほどの雪があるのみで、路面に雪はありません。

この時期、カモたちが群れで泳ぐ、微笑ましい光景に出会えます。

そして、戸隠バードラインへ。

冬枯れの林の奥にチラリと覗く北アルプスは真っ白ですが、戸隠連峰が真っ白な衣を纏うのはもう少し先のようです。
この先、宝光社・中社の表参道も、路面はほぼ乾いていますが、早朝は朝露が凍結しますので、ご注意ください。
12月12日にオープン予定の戸隠スキー場へ向かう道(越水入り口)は路面の一部が圧雪状態で、滑ります。

スキー場では、人口降雪機の力も借りて、ゲレンデ整備の真っ最中。
「雪はスキー場だけにピンポイントで降ってくれ」と思っている地元の人も多いかと思いますが...


越水ゲレンデから県道へ下る通称「高妻通り」からの高妻山の姿は、いつ見ても秀逸!


そして、戸隠神社奥社入り口へ。

鳥居へ向かうこの下りは、氷の滑り台状態。奥社へお参りされる方は、滑らないスノーブーツ、長靴などが必要です。
どうぞお気を付けてお歩きください。

大神様に、しっかりとスキー場への降雪をお祈りさせていただきました。
一年で最も静かと思われる奥社参道には、冬鳥の高らかな声が響き、グリーンシーズンとは全く違った風景に出会うことができます。
お車でお出かけの方は、冬用タイヤの装着をお願いします。
2015年10月21日
秋の夜長の 戸隠夜祭り

こんにちは。日中は残暑といえるような陽気が続いていますが、朝晩の冷え込みと日の短かさに、秋の深まりを感じる戸隠です。
そろそろちゃんと冬物を出して冬支度をしなければと思いつつ...。
さて、今回は、10月17日(土)に戸隠神社中社大鳥居前広庭で行われた「戸隠夜祭り」のレポートです。
今年2回目となるこのお祭り。観光のピークを過ぎたこの時期に、
「地域の皆さんに楽しんでいただきたい」
「子供たちには戸隠の伝統と良さを伝えたい」
「観光客の皆さまには戸隠を知ってもらいたい」
そして、戸隠の魅力を再発見していただこうとの思いから、地元の若手有志「戸隠再考プロジェクト」の皆さんが企画したものです。
当日は穏やかな天気で、心配だった冷え込みもなく、地区内外から多くの参加者が集まりました。

戸隠の子供たちによる獅子舞が披露された後、カウントダウンで三本杉がライトアップされると、大きな歓声が上がりました。

ペットボトルを再利用したキャンドルホルダーが、中社参道の石段を幻像的に照らします。

このお祭りに協賛している会社やお店の燭台にも火が灯されました。


子供のためのヨーヨー釣りは、なんと、無料!

輪投げ、的あて、パチンコなど昔懐かしい遊びができるコーナーも。

ヨーヨー釣りの棒、輪なげの輪、弓矢、そして参加賞のお菓子が入っている籠も、すべて戸隠の伝統工芸・根曲がり竹細工です!



先端にコルクが付いた竹の矢でダンボールに描かれたどんぐりとりんごの的を当てる的あて。
ちなみに、係のお兄さんが子供のころは、尖った石を付けて、木に刺さるようにしていたそうです。ワイルドですね〜


子供たちは手作りの遊び道具のよさを、感じたでしょうか?
昔子どもだった人たちが、童心に戻って遊ぶ姿もありました。

屋台には、戸隠や信州の特産物を使った手作りのおいしいものがたくさん!
地場産のじゃがいもをその場で揚げてくれる、ポテトチップス。

戸隠のそば粉をすいとんにして豚汁風味でいただくそばすいとん。

地元のケーキ屋さんによる手作りそばクレープは、子供達を中心に大人気


振る舞い酒に、振る舞いジュース。

そして、希望者によるお餅つきと、お餅の振る舞いも大盛況!

さらに最後には、豪華景品が当たるじゃんけん大会も行われ、戸隠人のパワーと大盤振る舞いのサービスで、心温まる夜の時間になりました。

何より、三本杉の下で楽しそうに遊ぶ子供達の笑顔が心に残りました。

関係者の皆さま、お疲れさまでした!
今回来られなかった遠方の方も、ぜひ来年はお出かけくださいませ。
2015年07月21日
奥社参道をゆく
こんにちは。梅雨から猛暑、そして台風と忙しく変わる天気に体がついていくのが大変という声もきこえますが、皆さまお元気でしょうか。
いよいよ本格的な暑さがやってきます。ぜひ、夏でも布団をかけて眠れる戸隠へ遊びにお出かけくださいね。
ということで、今回は古道(神道、奥社道)歩きの最終回。
このブログをお読みになる皆さまなら既に何度も歩かれた道かと思いますが、この時季ならではの草花に目をとめて、また意外と知られていないところもご紹介して参ります。
大鳥居から真っすぐに続く戸隠神社奥社参道の全長は2km。
鳥居の前で一礼をして、参道の中央を避けて歩きましょう(中央は神聖な領域です)。
鳥居をくぐってすぐ左側にあるのが、一かん龍王祠。先月の「奥戸隠池めぐり」でご紹介した種池(信濃町)の主を祀っています。毎年6月の巳の日に行われる種池祭では種池とここの祠の前で神主さんが祝詞をあげます。

参道の両脇には戸隠山の雪融け水が流れています。
このせせらぎが、奥社参道の魅力のひとつだと私は思います。
伊勢神宮の内宮の参道右側に清流が流れてることは有名ですが、参道を浄めるかのように両側に自然湧水が流れ、豊かな植生を保っているは全国的にも稀でしょう。むろん、一年のうち半分は雪に埋れてしまいますので、そういう意味でもかけがえのない清流です。
~奥社参道植物図鑑~
ヤマボウシ(ミズキ科)
ヨメナ(キク科)
ヤグルマソウ(ユキノシタ科)
ショウキラン(ラン科)
もうひとつ、参道で貴重なのが、この丁石。

ご存知の通り、一ノ鳥居から始まる戸隠古道の道標ですが、中社から先の古道においては雪の影響か、朽ちてしまったものが多く、現存するものはわずかです。この二十一町(中社から)の丁石は大鳥居から随神門(ずいじんもん)に向う中間の左側にあります。ぜひ見つけてみてください(夏場は草に埋もれて見えにくくなっています)。
週末などは多勢の参拝客で賑わう奥社参道。特に随神門付近で人影のない写真を撮ることは難しいですが、この日はたまたま静かな随神門を撮ることができました。明治以前、神仏習合時代には仁王門であり、仁王像が祀られていました。
冬は狛犬の足の辺りまで雪で埋もれてしまいます。
随神門をくぐる前に、もうひとつ知られざるスポットがあります。
上から見るとハート型に見える杉の根っこ。大切な人と一緒にここで写真を撮るのもいいですね(あまり見かけたことはありません)

茅葺きの随神門をくぐり、樹齢400年以上のクマスギの並木へ。
杉並木の左側、石垣が続いている部分が、戸隠山顕光寺時代の奥社院坊跡です。
標高1300mのこの地に12の院坊があり、修行僧達が生活していたというのですから、本当に驚きです

そして、今や伝説となった吉永小百合さんがCMの撮影で入った杉の洞(人が入って痛まないようにしめ縄が張られています)。
昨秋には、サザエさんのオープニングでも登場しました。
杉並木が終盤に差し掛かると右側にベンチがあり、その後方の川(講堂川)に小さな橋が掛かっています。
橋を渡ると、礎石が並んでいる空間が開けます。承徳2(1098)年に造られたという講堂の跡です。
なお、ここから参道を挟んで左側にはトイレがあります。このトイレも今年リニューアルされ、簡易水洗になりました。紙は流さず、横にあるゴミ袋に入れてきれいに使いましょう。
杉並木が終わると、参道には一部石畳が敷かれ、傾斜がだんだんと大きくなります。
石畳から石段へ。お客様からはこの石段の段数を問われることがありますが、おおまかに200段ぐらいです(崩れている部分もあり正確にはわかりません)。段差が大きいので、無理をせず、自分のペースで歩みましょう。
少し息が上がってきたところで、左側に現れる鳥居は、飯綱大明神を祀る飯綱社。
ここからまだまだ上りが続きますので参拝して一息入れるといいでしょう。
しばらくするとまた左側に石仏群が現れます。
大きな岩を背に、空を見上げるような仏様。神仏習合時代の名残と言われますが、詳細は不明です。
石段の向こうに、社務所が見えたら、奥社まではあと一息。
冷たい清水で手を清めて、いよいよお参りです。
この日はあいにく雲に隠れていましたが、奥社本殿の奥は戸隠山(表山)、神々しく、迫力ある風景。紅葉の頃もまた絶景です。
奥社参拝の後は、階段を下って右手の九頭龍社へ。
戸隠の地主神である九頭龍大神。水を司る神様であると同時に、好物が梨ということから、歯痛の神様としても人々から崇められてきました。
今でも梨をお供えする人が多いそうです。式年大祭期間中に設けられ、ご神体と鈴緒を繋ぐ「結びの糸」がまだ張られいますので、この機会にぜひご参拝ください。
社務所の前にはギボウシが咲いていました。
ということで、はるか昔から歩き継がれて来た、祈りの道を4回に分けてたどって参りました。
ぜひ、この夏のお出かけのご参考にしてみてください。
おまけのヤナギラン。
帰り道、中社付近にて。
2015年07月10日
神道をゆく3〈中社西駐車場〜奥社参道入口〉

こんにちは。梅雨らしい雨の日が続き、プール開きをした小学生をやきもきさせましたが、今日は久しぶりにお天道様と戸隠山の姿。
田んぼの稲や畑のトウモロコシも雨を受けてすくすくと育ち、虫の音や鳥のさえずりも一層大きく感じられる季節です。
さて、今回は神道(かんみち)をゆく第3弾。戸隠神社中社をスタートし、奥社参道入口を目指します。前回同様、中社にお車を停められたり、バスでお越しのお客さまからお問合せの多いコースです。お天気の日はもちろん、雨に濡れた古道歩きもいいもの。汚れてもよい靴、雨具、ひとり歩きの際は熊鈴を持って出かけましょう。

中社でのご参拝を終えたら、西側の鳥居を出て、駐車場の右側前方に続く細い道を歩きます。

公衆トイレの所までは舗装路ですが、その先は未舗装。砂利とチップが敷かれた歩きやすい道です。

50mほど進むと、右手に大きな石碑が現れます。

女人堂跡。奥の院が女人禁制だったその昔、この地にお堂があり、女性が奥院を遥拝したと言われています。「右えちごみち 左おくのいん」と刻まれた石碑の上部には、廃仏毀釈の時代に梵字が削られた跡があります。
左側、「おくのいん」を目指して参りますと、程なくして車道に行き当たります。横断歩道はないので、気をつけて渡りましょう。
道路を渡った先に大きな看板があり、右手が戸隠スキー場に至る越水通り。少し細い道(奥社道)を下って行きます。
ここから奥社参道入口までわずかな道のりですが、戸隠信仰にまつわるドラマが凝縮された歴史ゾーンとも言える味わい深い道。
この季節は道端に咲く花も目を楽しませてくれます。
まずは、ここから。
比丘尼石(びくにいし)です。女人禁制を犯して奥院に入ろうとした尼僧が石に変えられてしまったという戒めの遺跡。
こっちの角度から見ると、岩の突き出た部分が眠っている羊の顔のように見えませんか?
〜奥社道植物図鑑〜
ヤマオダマキ(キンポウゲ科)
ウツボグサ(シソ科)
ナツグミ(グミ科)
ヨツバヒヨドリ(キク科)
タテハチョウ科のチョウ
比丘尼石から100mほどで、右側に公明院の門が見えます。
敷地内には戸隠最後の修験道行者といわれる女性行者姫野公明師が建てたお堂のほか、飯綱権現石像、日本六十六州一の宮等が祀られ、釈長明火定の地(しゃくちょうめいかじょうのち)の石碑も建っています。
公明院のすぐ先に建つ石碑は、稚児の塔。
史跡についての説明は各所の高札に書かれていますのでここでは省きますが、戸隠信仰を背景に人々の祈りや思いが積み重ねられた地であることを、感じさせられる道中です。
戸隠森林植物園と奥社を示す道標が現れたら、右折します。
未舗装の遊歩道ですが、越水地区の皆さんが定期的に草刈りをしてくださっているので、気持ちよく歩くことができます。
ゆるい坂道を登り切ったところで、この道中一番のビューポイントに到着!
取材した日は雲が多めでしたが、晴れていれば戸隠連峰西岳とそれに続く山並みが迫り、撮影や休憩にもってこいのスポットです

そして、緩い坂を50mほど下っていくと、奥社入口駐車場の前に出ます。ここまでゆっくり歩いて約40分。
参道入口の公衆トイレは今年リニューアルされ、とても清潔になりました。ぜひきれいに使って気持ちよくお参りしましょう。
ということで、「神道をゆく」次回はいよいよ最終回。戸隠神社奥社・九頭龍社を目指します

2015年06月08日
神道をゆく2〈火之御子社〜宝光社〉

こんにちは。久しぶりの更新となりました、この間、戸隠神社の式年大祭・善光寺の御開帳という特別な期間が終わり、日常に戻った戸隠です。
ほとんどの田んぼでは田植えが終わり、ハルゼミとカエルの合唱、ホトトギスの鳴き声に草刈りビーバーの機械音、アカショウビンの声を聴いたという話も。
いろいろな「音」が夏を知らせてくれます。
樹々の緑も日に日に濃くなるこの時期、森林浴には最高の季節です。
さて、今回は「神道(かんみち)をゆく」の後編、戸隠神社火之御子社〜宝光社までの約800メートルの道のりをご紹介します。

冒頭の写真は宝光社から火之御子社・中社への道標ですが、今シーズンは中社から宝光社へ下っていかれるお客様が多く見受けられます。
ということで、火之御子社のご参拝の後は、境内左奥にあるトイレの脇から再び神道へ。

進行方向は左。

雑木林の間の砂利道を歩きます。木漏れ日を楽しみながら。

左側の脇道は小鳥の森遊歩道。少し鬱蒼としていますが、その名の通り、樹間を歩けばたくさんの鳥の鳴き声に包まれます。

直進すると右側にあるのが伏拝所です。

大きな杉の木の前、何やら神聖な気配を感じるこの場所は、その昔、奥院(戸隠山顕光寺)から地蔵菩薩の御正体が飛んできて、「女人禁制で奥院に参詣できない女性のためにここから奥院を拝むように」と人々に告げた場所だと伝わります。
NHK長野放送局が昭和8(1933)年に初めてここから野鳥の鳴き声を全国に中継したことを記念する「小鳥の声放送記念碑」も建っています。
今はご覧のとおりの景色ですが、昔はここから奥社が見えたそうです。

伏拝所を後に、しばらくは明るい雑木林が続きます。

薄暗い杉林に入ります。

左側が斜面になり、坂を下っていきます(ところどころ階段状に整備されている歩きやすい道です)。

坂を下ると、少し明るくなり、行く手に宝光社の社殿が見えてきます。

戸隠神社宝光社に到着です!ゆっくり歩いて15分。
夏場は野生動物も活動的になりますので、鈴など音の出るものを携帯し、なるべく複数人でお歩きくださいね。

神社の境内にはこんなかわいらしい花が群生していました。アマドコロ。

2015年05月25日
神道をゆく〈中社〜火之御子社〉
こんにちは。新緑と青空、カッコウに加え、ハルゼミの鳴き声も聞こえ、一気に初夏の趣の戸隠です。
さて、戸隠中社バス停前の戸隠観光情報センターで多くのお客様がお尋ねになる質問が、「ここから火之御子社、宝光社へ行きたいけど、神道(かんみち)ってどこ?どれくらい時間がかかる?」というもの。
ということで、今回は中社(観光情報センター前)から火之御子社への道のりを画像とともにご紹介致します。

戸隠観光情報センターをスタート(お土産処宝泉の間の舗装路です)。
まっすぐ進んで、お蕎麦屋さんを2軒(戸隠堂・しなの屋)を通り過ぎます。
坂を下りますと、狭い道が二手に分かれていますが、火之御子社/宝光社と書かれた道標に従い右へ進みます。
坂の途中はこんな景色。

下り切ると左手に民宿があり、水路に架かる橋を渡ります。
マンホール好きの方は要チェック

戸隠山が描かれたマンホールは合併前の戸隠の名を刻む語る貴重な文化遺産です。
古くからこの道が人々に歩かれていたという証・道祖神。
水路を越えると、道なりに右へ(左に分かれ道がありますが、まっすぐです)。
しばらく行くと、左手に墓地が見えます。
鳥や虫の声が一際大きく聴こえる静かな道(未舗装)に入ります。
道草を楽しみながら。
視界の先に林が見えてきたらもうすぐです。
「←火之御子社」の道標に従って左の細い道へ。結界のしめ縄をくぐります。
少しでこぼことした細い道です。

三分ほどで見通しが開け、右側に小屋が見えてきます。
小屋の正体は公衆トイレ。昨年(平成27年)新設され、とても清潔なトイレです。
トイレから少し下ると、戸隠神社火之御子社に到着!

戸隠観光情報センターからの所要時間は約15分です。
舞楽芸能の神様・天鈿女命(あめのうずめのみこと)をお祀りする火之御子社。
拝殿の奥に立つ夫婦杉もぜひお参りください。

夫婦杉と並んで立つブナの大木も見事。

こういうモノも大事ですね。
戸隠古道拓本集印帳をお持ちの方は、西行桜もお忘れなく。拝殿の右側です。
火之御子社から宝光社への道のりは次回ご紹介致します。
宝光社へ行かず、中社へお戻りの場合は、来た道を戻るか、西行桜の脇から石段を登り、表参道へ。
車道の脇を歩く形になりますが、竹細工店などをご覧になりながら歩くのもおすすめです。
こちらは、明治初期の神仏分離の際に社地から移された納経供養塔。
町並みにしっくりと合う赤いポスト。

登り坂なのでゆっくり歩いて20分。
往復30分〜40分で楽しめるおすすめの散歩コース。バスの待ち時間などに歩いてみてはいかがでしょうか。
2015年05月15日
続・神仏とのご縁をつなぐ春の旅

こんにちは。台風一過で清々しい青空となりました。
水芭蕉、リュウキンカ、カタクリ、二輪草など春の風物詩が咲き揃った戸隠森林植物園。空を仰げば、カツラやカラマツの新緑の向こうに残雪の戸隠連峰、耳には野鳥たちのラブソング。何もかもが心地よい5月の戸隠です。
さて、今回は4月22日に掲載した「神仏とのご縁をつなぐ春の旅」の続編です。
その後、「北信濃三大パワースポット巡り」にはお出かけになりましたか?
善光寺大勧進や戸隠神社でこのチラシや幟を目にし、実際に巡られる観光客の方も増えているようです。

そして、たまに聞かれるのが「飯縄神社里宮はどこですか?」という質問。
全国にある飯縄神社の総社でありながら、この里宮の位置が詳しく載っている地図やパンフレットはほとんどないので、しっかりとした道案内ができず、正直、聞かれたくない質問でした

ということで、実際に行って参りました!
目印はこの看板。
善光寺北山の七曲がりを登り切り、飯綱高原へと続く坂の入口です(バス停「新安」付近)。
看板の立っている道を左折すると、すぐに右へカーブ。乗用車1台分の狭い道を500m程進んでいくと到着しました(この道をさらに進むと神代桜で有名な素桜神社があります)。
里宮の向かい側の専用駐車場(普通車2台)に駐車し、石段を登ります。(社務所は参道入口の左側の建物)
正式には全国飯縄総社皇足穂命神社(すめたるほのみことじんじゃ)。
ご存知のとおり、飯綱大権現(三郎天狗)がお祀りされています。
石段を登り切って、ハッと目を奪われたのがこの杉の大木。

長野市指定天然記念物でもあるご神木です。
平日の昼間とあって、参拝客の姿はありませんでしたが、拝殿、境内とも手入れが行き届いた様子で、清々しく参拝させていただきました。
スタンプラリーのスタンプは社務所にて係の方に押していただけます(平日10:00〜16:00、土日祝日9:00〜17:00)。
三郎天狗さんとのご縁をいただいた後は、カラマツの新緑が眩い戸隠バードラインを抜け、戸隠神社宝光社へ。
式年大祭期間中の特別行事として宝光社では離山仏里帰り拝観、御神坐回廊特別参拝、御印文拝戴をすることができます。
社殿の左、授与所の右側に受付があります(10:00〜16:30、拝観料1,000円)。
社殿内は撮影禁止、詳細な内容はご紹介しませんが、要所要所で神職の方が内容を説明してくださり、見応え、聞き応え充分!

拝殿の外からは見られない幕末の宮大工・北村喜代松の彫刻をじっくり拝観でき、廃仏毀釈で戸隠山から離れられた複数の仏像に手を合わせ、戸隠山の宝印(御印文)を拝戴することができる貴重な機会です

まだご参拝いただいていない方は、神様と仏様との「ご縁結び」にぜひお出かけください。
2015年04月22日
神仏とのご縁をつなぐ春の旅

こんにちは。降ったり、止んだり、日が差したり。気まぐれな春のお天気が続きますが、一雨毎に草木が伸び、アサツキやノビル、コゴミなどの山菜が食卓に上がる時季となりました。
戸隠神社の沿道には約10kmに渡ってしめ縄が張られ、いよいよ来週からの大祭に向け、一層浄められた戸隠です。
ご存知のとおり、善光寺では4月5日から御開帳が行われていますが、皆様はもうお参りされたでしょうか?
先週は戸隠観光協会も善光寺御開帳奉賛会の一員として、長野駅に特設された御開帳案内所のお手伝いをさせていただき、七年に一度のご盛儀の賑わいを肌で感じて参りました。

外国人の観光客の姿も多く、片言の英語を使ってのご案内は脳のよい刺激になりました

週末には子どもたちを連れて善光寺詣で。
雨だったせいか、混雑は少なく、回向柱にもすぐ触れることができました。
ご印紋をありがたく頂戴したあと、外陣から前立本尊を拝観(内陣は45分待ちでした)。
七年に一度のご縁を結ばせていただき、一仕事を終えた気分に。
善光寺の宝印である御印紋は牛王宝印(ごおうほういん)、牛王噞印(ごおうけんいん)、往生決定(おうじょうけつじょう)があり、それぞれ錦の布で包まれ三判を併せて額に押していただけます。これによって極楽往生が保証されるということはご存知のとおり。俗に「ごはんさん」と呼ばれ、人々に知られてきましたが、ごはんさんは五判あり、善光寺に三判、戸隠神社に二判あるということをご存知でしょうか?
4月26日から始まる戸隠神社式年大祭では、宝光社にてこの御印文を拝戴(はいたい)できます。
戸隠神社にある一判は「戸隠山宝印」という九頭龍さんのお札の象徴、もう一判は胎蔵界大日如来の種字(梵字)を刻んだ御札ということです。善光寺の三判は来世、戸隠神社の二判は現世の御利益があるとのことで、ぜひ、善光寺と戸隠神社の両詣をしたいものです。 (参考文献:戸隠神社 社報1月5日号)
さらに、今回の御開帳期間中には北信濃の巡礼地を周遊する企画「三大パワースポット巡り」のスタンプラリーが行われています。
善光寺大勧進前では巡礼台帳やグッズ販売のテントが設置されていました。
大勧進護摩堂の不動明王、戸隠神社の九頭竜大神、飯縄神社里宮の飯綱大権現のキャラクターが描かれた台紙に各所で宝印をもらい、3ヶ所揃えると記念品をいただけるというもの。
台紙は1,000円(巡礼御守り付)。大勧進のほか、戸隠神社中社、飯縄神社里宮(平日10時~16時、土日祭日9時~16時)、飯綱高原観光協会で販売しています。

善光寺から、飯綱を経て、戸隠への巡礼の道は、古来多くの参拝者が歩んだ道。ぜひ、この機会に巡ってみてはいかがでしょうか。
善光寺からの帰り道、大門にオープンしたチビッ子忍者村の大門店、「忍者大門」へ立ち寄りました。
多種多様な忍者グッズ、おみやげ物のほか、忍者気分を味わえるボルダリングの壁、手裏剣の的当(有料)もできて、子供は大喜び。
手裏剣をイメージした最中でアイスクリームをサンドしたスイーツ「もなもっち」は380円~(写真はチョコレート味)。
底にお餅が入っていて、とても食べ応えがありました。
4月25日からは善光寺と戸隠神社を繋ぐ、祈願ライナーバスも運行されます(前日15時までの予約制)。
数えで七年に一度の善光寺御開帳と戸隠神社式年大祭。神と仏に出会う旅にぜひお出かけください。
2014年12月23日
戸隠ノートことはじめ〜銀座に響く戸隠のおと〜
こんにちは。今月に入って、毎週末大雪が降り、除雪車が大活躍の戸隠です。
オープンしたばかりのスキー場でも2月3月並みの積雪量があり、お客様は大喜びですが....

さて、2年5ヶ月「とがくし便り」の名でお届けしていたこのブログですが、今回からブログのタイトルを変えました。
地区内に同一名(漢字とひらがなの違いはありますが)のブログがあり、混同を避けるためです。
新タイトルは「戸隠ノート」。
これまで同様、戸隠に住むスタッフが、戸隠で見たこと、聞いたこと、体験したことなど戸隠の「おと」を文章に綴って参ります。
ということで、今回は日常から少し離れて、お都会へ。
10月末に銀座5丁目に長野県のアンテナショップ銀座NAGANOがオープンしたことで、
何かとご縁のある銀座。
そのご縁を更に広げるためのイベント、NAGANOフードプロモーションin銀座が12月17日に行われ、戸隠もご縁をいただきました

銀座紙パルプ会館の屋外施設・ビーガーデンでのシナノゴールド植樹祭にて、戸隠神社の神事と太々神楽の献奏が行われることに。

ビーガーデンときいて、ビアガーデンと間違えてはいけません。
Bee=ミツバチガーデンなのです

会場設営前にガーデンに出てみると八の字の花壇と、ハニカム型のプランターが。
このガーデンは特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクトが運営していて、都市と自然の共生をテーマに、2006年から養蜂をしているときいてびっくり

最近は銀座の色々なビルの屋上に全国の食材の樹を植え、ミツバチが飛び交うビーガーデンを増やしているそうです。
まさに都会のオアシスともいえるこの場所に、即席でご神前と舞台をセッティング。
神主による修祓のあと、加藤長野市長と銀座ミツバチプロジェクトの代表によるシナノゴールド植樹の儀が行われました。

そして、玉串の奉てん。

その後、長野市無形民俗文化財 戸隠神社太々神楽の献奏が行われました。
降神(こうじん)の舞

水継ぎ(みずつぎ)の舞

身滌(みそぎ)の舞

弓矢の舞

この日は低気圧の影響で冷たい季節風が吹き、とても寒い中の神楽献奏となりましたが、
ビル外の一角に荘厳な雅楽の音色が響きわたり、戸隠の雪景色が思い浮かぶようなひとときでした。
銀座ミツバチプロジェクトの皆さま、銀座の女性経営者の会である銀座なでしこ会の皆さま、寒い中のご参列、お疲れさまでした!
この日植えたシナノゴールドの樹に花が咲き、おいしいハチミツができるといいですね。

2014年12月03日
感謝の心に神が宿る。

こんにちは。昨夜からの雪が戸隠山の麓にも降り積もり、銀嶺が眩い戸隠です。
現在、奥社〜スキー場周辺の道路には10cm程の積雪があり、今朝は雪がない道路でも凍結していましたので、お車でお越しになる際には冬用タイヤの装着をお願い致します。

さて、11月22日に長野県北部を揺るがした神城断層地震につきましては、多方面からご心配やお問合せいただきありがとうございました。
当地区ではFacebookでもお伝えしておりましたとおり、戸隠神社等で一部の石灯籠や石垣の倒壊があったものの、揺れが大きかった割に建物被害は少なく、周辺道路も問題なく通れる状況です。
周辺地域で被害に遭われた皆さまにお見舞い申し上げるとともに、近隣地区含め県内の観光地に対する風評の風当たりが強くないことを祈ります。
例年よりも温かくほとんど降雪がなかった11月。
12月1日に戸隠スキー場で行われた戸隠雪乞い祭りでも途中から降り出したのは雨でした


今日、越水ゲレンデへ行ってみると...私たちの願いはしっかりと大神様に届いたようです!



12月20日のスキー場開きにには、極上のゲレンデが皆さまをお待ちしていることでしょう!
戸隠神社奥社参道も、すっかり冬景色に。
ご参拝にはスノーシューズや長靴のご準備をお願いします。

参拝(今日は鳥居の前で省略させていただきましたが)のあとは、ほっと一息。

名物鴨ざるそばは、まさに、五蔵六腑に沁み渡るおいしさでした。
奥社前なおすけさんでは、不燃ゴミ袋2袋分の食器の被害と、地下室に浸水被害があったということ。
女将さんの「それでも通常営業できていることに感謝」とのお言葉に同感。
おいしいおそばを食べられ、冬らしい雪景色を見られることに感謝。
大切な人や家族を思う心や、感謝の気持ちに神が存在するといいます。
何気ない日常に感謝することが、おもてなしの心にも通じます。
寒くなりましたが、皆さまどうぞお健やかに。
2014年11月13日
戸隠で出会う感動の瞬間

こんにちは。立冬を過ぎ、日暮れの早さに、否応なく秋の終わりを感じる戸隠です。
そう、「立冬」といえば神送り....以前のブログでも書きましたが、天照大神様が休息に入るため、太陽が戸隠神社奥社参道をまっすぐに昇るのです。
今年こそは実際に見たい!ということで、立冬(今年は11月7日)前後の天気を伺い、立冬の翌日に満を持して早朝の奥社参道へ向かいました

明け始めた空に気持ちがはやり、6時過ぎには参道入口に到着。が、なかなか太陽さんは上がって来ない....
ひとり杉並木の間を行ったり来たり、登山客の方にじろじろ見られたりしながらその時を待ちました。寒さが身にしみましたが、その間、背後の戸隠山が朝焼けで輝く光景に出会えました

待つこと約1時間。その数秒前までとは全く違う、奇跡のような光が、随神門の杉並木の間から差し込んで来ました!

待っていてよかった!! 本当に、神々しい、言葉では表現できない、一瞬でした。
私の拙い撮影技術とレンズでは、その感動を伝えられないかもしれませんが、気持ちだけ。
この日は土曜日だったので、早朝とはいえ、参拝客の方が多勢いらっしゃいました。
随神門での撮影を終えて下ってくると、参道入口の鳥居の前でもカメラを手に立ち止まる人々が。
見上げれば、鳥居の中に光が入る瞬間でした。

お天道様のありがたさを改めて感じるとともに、信仰という気持ちひとつでこの参道を設けた先人の叡智に頭が下がりました。
これから冬を迎える戸隠。
再び日光がこの道を通る「神迎え」は雪に包まれた立春(2月4日)の頃です。
2014年10月10日
歩きながら伝える戸隠の秋の魅力
こんにちは。半月近く更新をさぼってしまいました。この間、樹々の紅葉が進み、刈り取られた稲がはぜ掛けされ、秋そばの刈り入れも始まった戸隠です。
先週に引き続き、今週末も大型台風が接近する予報ということ。
先日(10月8日)の皆既月食を見ながら、「やはり今年は自然が我々人間に何かを知らせてくれる年なのだろうか」などと考えました。
改めて、先月末の御嶽山の噴火で犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、一刻も早く、行方不明者が発見されるようにと祈るばかりです。
さて、冒頭から少々重い話になりましたが、気分を変えて、今日はラジオ番組のお話です。
北陸新幹線の長野ー金沢間開業に向けた長野県の広報番組「GO! GO!信州」に戸隠をご紹介いただけるということで、僭越ながら私が戸隠観光協会を代表してインタビューを受けました。
ラジオの収録は初めてで、少々緊張しましたが、インタビュアーの辻深雪さんと戸隠神社奥社参道を歩きながら雑談形式でいろいろお話してきました。
久しぶりに歩く奥社参道は色付いた樹々に木漏れ日が当たる感じがとても美しく、落ち葉を踏みしめる音にも秋の深まりを感じました。

辻さんは妙高市出身ながら奥社を訪れるのは初めてということで、随神門や杉並木の景色にとても感動していらっしゃいました。
今や名物と化した吉永小百合さんCMで登場した杉の木のウロにも大興奮!
人前でしゃべるのが不得意な私ですが、精一杯奥社参道の魅力、今月25日から始まる戸隠そば祭りのPRをさせていただきました。
放送は24日(金)だそうです。よろしければ聴いてみてくださいね

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長野県はSBCラジオ
「情報わんさか GO!GO!ワイド らじ☆カン」内14:20~およそ8分
富山県はKNBラジオ「でるラジ」内 12:50~
石川県はMROラジオ「げつきんワイド おいね☆どいね」内 9:50~
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おまけ。
慣れないラジオ収録のあとは、少しだけ自分へのご褒美を、ということで、戸隠森林植物園を覗いてきました。
真っ赤に染まる前のグラデーションが素敵なモミジ
マユミの実
シオデの実
そして、大好きなカツラの紅葉。
甘い匂いをそのまま懐に入れて持って帰りたい衝動にかられました。
人影はほとんどなく、ひっそりと秋が深まる植物園内は、得も言われぬ色彩の宝庫。
鏡池も素敵ですが、静かに秋を感じたい方に、おすすめします!
2014年09月09日
戸隠旬ウォークレポート4・戸隠古道一之鳥居〜宝光社
こんにちは。昨夜は中秋の名月でしたね。戸隠ではよく晴れて、月灯りの下でお団子をいただくことができました

ただ、朝晩ぐんと気温が下がるようになりましたので、お出かけの際の服装にはどうぞお気をつけください(という私も風邪をひきました

さて、今回は9月5日(金)に行われた「第4回戸隠旬ウォーク」のご報告です。
当日は小雨模様でしたが、お申込いただいた21名の皆さま全員が、一之鳥居苑地駐車場に集合しました!
ガイドは戸隠小舎のご主人でプロスキーヤーの佐々木常念さんと、戸隠牧場で引き馬などもしている村田幸恵さん。
お二人とも戸隠生まれ、戸隠育ちの、ベテランガイドさんです。
準備体操の後、集合写真を撮って、元気に出発です!
人数が多いので、2チームに分かれて歩きます。
私は村田さんチームにお邪魔しました。
一之鳥居苑地からカラマツとアカマツ林を抜け、約5分で戸隠神社一之鳥居跡へ。
戸隠神社の元神領(千石)の入口として、18世紀末に大規模な石の鳥居が建造されましたが、弘化4年(1847)の「善光寺地震」で倒れ、今はその一部が残っています。
その後、明治時代に、奥社から運んだ大木で木造の鳥居が建てられましたが、老朽化して昭和60年(1985)に取り壊されたそうです。
鳥居建設の奉行を努めた中社の極意家(宿坊極意)には大木を乗せて曳いた大ぞりが残り、石の鳥居柱の一部も残っていると、ガイドさんから詳しい説明がありました。
また、この場所には『戸隠古道拓本集印帳』の最初のポイントがあり、拓本をとる参加者もいました。

今回、地元から参加してくださったフランススキー学校の小林校長先生からは、
「おれがこどもの頃にはこの辺に売店が立ってた」という貴重なエピソードもきかれ、往時に思いを馳せることができました。
一之鳥居付近は、最近数少なくなったマツムシソウの群生地でもあります。
神領に入ったとたん、ぽつぽつと雨に出迎えられたご一行。傘をさしながら古道を歩きます。
一之鳥居から奥社までの道標となる丁石(ちょういし)の、はじめの「一丁」。
ちなみに、一丁(町)は約109メートル。宝光社までが43丁(4.7km)、中社までは53丁(5.8km)、中社から奥社までが36丁(4km)です。
一之鳥居から七丁で大久保に到着。
大久保の茶屋の裏山に咲いているこのお花は、フシグロセンノウ。ビビットカラーなので、一見園芸種のように見えますが、在来の山野草だということを、ガイドさんの説明で初めて知りました。
ここは善光寺からの戸隠表参道と、柏原(信濃町)からの戸隠下道が合流する交通の要所。江戸時代にも二軒の茶屋がありましたが、当時は蕎麦ではなく、「力餅」が名物だったそうです。
「こちらへどうぞ」とガイドさんが案内してくれたのは、大久保西の茶屋の主屋の背後にある岩屋。
岩と岩の間に「龍のしっぽ」と呼ばれる穴があり、一説によると戸隠山の九頭龍権現がこの穴を出入りしていたということ。
「岩戸里宮」として、九頭龍権現を祀っているそうです。
私有地なので、参拝される方は、大久保西の茶屋さんに一声かけてお入りください。
九頭龍権現様にご挨拶したところで、効果覿面!?雨がザーザー降ってきました

晴れていれば野鳥や虫の声が聞こえ、山野草も楽しみな遊歩道ですが、傘をさしながら早足で進みました。
祓沢のそば展望苑に到着。
戸隠連峰は霧にかすんでいましたが、一面に広がるそば畑を初めて見たという方は、
「晴れたときにまた来たい」といいながら写真を撮っていました。
祓沢にはその名のとおり、戸隠信仰の修験者達が禊ぎをしたといわれる沢があります。中院道と宝光院道の分岐点を示す道標がありますが、上部には大きくえぐられた跡が。明治の廃仏毀釈で梵字が削られたということです。

「左宝光(院)御宮迄十二丁
徒夫中(院)御宮江通ぬけ」( )は削られています。

祓沢から先は石畳が敷かれ、戸隠の古き佳き時代の面影が残る古道です。
雨脚が強いので、もうひとつのビューポイント・湯之嶺夕陽展望苑はパス。晴れていれば戸隠連峰と北アルプスのパノラマを展望できるので、ぜひまた歩いてみてくださいね。
森の中の道を抜け、舗装路との合流点の先に「熊の石塔」が現れました。
大きな石を組み合わせた五輪塔。熊野信仰の跡だと伝えられています。
熊野古道を歩いたことがあるという参加者の方の話を興味深くききながら、宝光社を目指します。

ひとりでは心細いような鬱蒼とした杉木立の道ですが、「皆で歩けばこわくない」!
ギンリョウソウ(銀嶺草)が見事な白い顔を出していました。
雨にも負けず、いろいろな話をしてくれるガイドさん。
こちらの白樺の幹が黒くなっているのは....?
信州では「カンバ」でお盆の迎え火を焚きますが、戸隠では白樺の樹皮を使います。
白樺の樹皮は一度剥がすと再生せずに黒く残ります。幹が黒くなっている白樺があれば、そこは人が入った山という印だということです。
お昼を少し過ぎた頃、戸隠神社宝光社の鳥居に到着!
コケや緑が雨に濡れて一層濃く見え、晴れの日とは違った趣でした。
274段あるという石段をゆっくり上っての宝光社参拝は、なんだかとてもご利益がありそうです。

ガイドさんから来年は戸隠神社の式年大祭で、この宝光社の御祭神が御神輿に乗って渡御し、中社の御祭神とご対面するという説明がありました。
「渡御の儀」は平成27年の5月6日。楽しみですね!
参拝を終えて、お腹も空いてきた頃、武井旅館に到着。
雨の中の散策、皆さまお疲れさまでした!
築約300年の宿坊のお座敷でいただく女将さん特製の手打そば。
旬野菜の天麩羅や、煮物もとてもおいしく、雨に濡れた体が一気に癒されました

その後、女将さんから家宝の秘仏のお話、茅葺き屋根の葺き替えのお話など、ここでしか聴けない興味深いお話も伺うことができました。
現在、歴史まちづくり法の町並み整備事業が行われている戸隠宝光社・中社地区。
今年、長野市の景観風致建築物にも指定された武井旅館では、茅葺き屋根の葺き替え工事の真っ最中。
お隣、鬼無里と信濃町からの熟練の茅葺き職人の方が来て、7月から工事が始まり、今秋は西側の屋根を葺き替えるそうです。

こちらは、武井家の新たなお宝。
戸隠山の稜線等に咲く希少な高山植物「羽蝶蘭」で、宝光社には咲くはずのないこの花が、なんと、古い屋根の上に咲いていたそうです。
女将さんは、風に運ばれて根付いた貴重な一株を大事に育てたいとおっしゃっていました。
九頭龍権現様の歓待にあった今回のウォーキング。皮肉なことに食事が終わった頃には雨が上がりました

次回の戸隠旬ウォークは10月24日(金)。鬼女紅葉伝説が伝わる柵地区荒倉山塊を歩きます。乞う晴天!
2014年03月10日
「雪上戸隠参拝ウォーク」レポート(後編)
戸隠は今日も氷点下。朝から季節を間違えたかのような雪がしんしんと降っています。2月の大雪で、もう雪はうんざりという方もいるかもしれませんが、戸隠の冬に雪はつきもの。「雪上戸隠参拝ウォーク」の後半戦、どうぞお付き合いください。
越水ゲレンデを出発し、奥社の杜、戸隠森林植物園を通過し、鏡池入口のそばの実に到着した一行。
おいしい戸隠そばで腹ごしらえをした後、小鳥が池のある雑木林を経由して戸隠神社中社を目指します。
枝の間に熊棚(クマの餌場)がある木。幹にはクマの5本の爪痕が残っていました。上信越高原国立公園内にある戸隠高原はツキノワグマの生息地。こういう光景は珍しくありません。
スノーシューをいったん脱いで県道を渡り、戸隠神社中社へ参拝。このツアーの名称は「参拝ウォーク」なので、神社を外すことはできません!
手水舎の前で神職のガイドから手水の作法の講習を受け、冷たい清水で清めてから本殿へ。
中社の神様は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)。天の岩戸にお入りになった天照大神様にお出ましいただく方法を考えられた知恵の神様です。今年も受験生が多数訪れたことでしょう。

さて、ここから先は、観光客はもちろん、地元の人も滅多に歩いたことのない空間。中社青龍殿の後方から中社の杜へお邪魔しました。
目指すのは戸隠スキー場中社ゲレンデ。比較的空いているので、静かにスキーやスノーボードを楽しみたい方に人気です。

今回のツアーの目玉として、スキーやスノーボードを履かない方にも戸隠スキー場からの絶景を楽しんでいただけるように、特別にスノーシューを持ってのリフト搭乗が計画されました。が....あいにく、太陽は分厚い雲に覆われ、冷たい北風が吹き始めました。
中社第一ペアリフトでゲレンデを上ると、こんな景色。
晴れていれば戸隠連峰はもちろん、北アルプスや遠くに富士山まで見渡すことができる場所ですが、今日は残念。左側にうっすらと見えているのは鬼女紅葉が隠れたという荒倉山塊です。

瑪瑙山を前方に眺めながら、緩傾斜のゲレンデを歩いてゆくと、中社第2リフトに到着。リフトの係員は男前のお兄さんでしたよ

晴れていればこのリフトからの眺めも最高ということですが、残念ながら...

標高1549m、怪無山の山頂に到着!ここで再び、スノーシューを履いたご一行。林の中を下ってゴールのゲストハウス岩戸を目指します。
曇天の中ですが、大学のスキー部など多勢のお客さまが滑りを楽しんでいる中の移動。晴れていれば、こんな景色が見られたことでしょう。

さて、この後、ドリームコースと岩戸コースの間の林を下ったのですが...ゴメンナサイ!ショートカットを狙って急斜面を降りたら、新雪に足を取られ、撮影をする余裕がありませんでした


今回の取材では一眼レフとiPhoneを持参していましたが、iPhoneは気温が低すぎると(おそらく零下)電源が落ちてしまうということがわかりました(一眼レフもシャッター関係が不調になりました)。貼るカイロで温めてどうにか復活しましたが、次回は、もっと操作しやすいコンパクトカメラを持参したいと思います。
そんな反省を胸に、無事下山。すると、雲に隠れたはずの戸隠連峰が出迎えてくれました!

ガイドさん情報により、望遠レンズで除いてみると奥社参道杉並木や、奥社本殿の一部が見え、また感動

午後4時。予定時間を若干遅れてゲストハウス岩戸前に無事全員が到着し、お開きとなりました。
今回、スキー場開場50周年を記念して特別につくられたコース。実際歩いてみるとかなりハードな行程で、腰から下がだるい感じでしたが、参加者の方からは、「よい運動になった」とか、「普段は歩けない場所を歩けて楽しかった」とうれしい感想が聞こえました。
ゲレンデにはまだまだ新雪が降り、例年の3月とは思えないほどの雪質が維持されています。
残りわずかとなりましたが、まだまだ遅くありません!スキーヤー、スノーボーダーの皆さま、戸隠スキー場にて魔法の粉雪と絶景をお楽しみください!
2014年03月10日
「雪上戸隠参拝ウォーク」レポート(前編)

こんにちは。啓蟄を過ぎてもまだ気を抜けない寒さが続く戸隠です。
大人はもう雪は嫌だなんて弱音を吐きますが、子供たちは新雪が降れば大喜びで遊んでいます。
さて、今回はそんな子供心忘れない大人のための雪遊びイベント、戸隠スキー場開場50周年を記念して3月7日(金)に行われた「雪上戸隠参拝ウォーク」に参加して参りましたので、写真とともにご報告します!
この日は前日までの雪も上がり、青空も見えるまずますのお天気に恵まれました。
集合は戸隠スキー場越水ゲレンデのゲストハウス岩戸。
出発前にレンタルスノーシューをフィッティング。スノーシューは長靴やスノーブーツに装着できる西洋かんじき。初めてでもコツを覚えればすぐに装着でき、新雪の上を歩くことができます。今回は新雪が降った後なので、ブーツやパンツの丈が短めの方は雪が入ってしまわないようにスパッツを付けていただきました。

戸隠地区外から6名(1名は東京から!)、地区内から4名、計10名の参加者とスタッフ6名が加わり、賑やかにスタートです。
スキー場の第5駐車場からの眺め。戸隠連峰はこの後、雲に隠れてしまいそうなので、初めに目に焼き付けておきましょう。
まずはスキー場からほど近い越水ヶ原の雪原で足慣らし。ミズナラやシラカバの雑木林が広がります。

今回のガイドは、鳥や植物に詳しい人、戸隠神社の神職、そば打ち職人と、個性的な面々。道中には豆知識がいっぱい、参加者を飽きさせません!
豆知識その①
雑木林の木々をよく見ると、ツル植物が絡まっている木がけっこうたくさんあります。こちらはイワガラミ。つるアジサイに似た花を咲かせます。
豆知識その②
テンの足跡。エサを求めて雪原を走り抜けた跡がくっきり。
豆知識その③
ツルマサキ。こちらは珍しい常緑のツル植物です。
県道36号線を横断し、戸隠神社奥社の社へ。大鳥居が見えると喜びの声を上げる人も。

ご存知、奥社参道は立春・立冬の際に太陽が正中線(参道の真ん中)を通るように設計されています。
立冬から冬至までは太陽のない、死の世界。冬至から立春にかけて徐々に生命体が活動を初め、立春に生命体が甦るという「生命復活」のストーリーを踏んだ設計はこの場所の神聖さを際立たせます。
奥社へ向って左側は湿地、右側は乾燥した雑木林でたくさんの巨木が存在します。
ということで、右側の森へ進路を進めます。
専門家も賞賛するというダケカンバの大木。
こちらもダケカンバ。その色艶の良さから「戸隠のヴィーナス」と呼ばれているとか!?
触っておけばご利益あるかな

奥社の杜を30分ほど歩いた頃、現れたのはご存知、ミズナラの巨木「王様の木」

王様の前で、しばしティーブレイク。周囲には高木がなく、広場のようになっています。夏には根曲がり竹が繁茂する薮になり、王様全体を見ることができないということで、ますますこの奇跡的な出会いに感動!
参加者の皆さんも、思い思いに写真を撮ったり、お菓子で疲れを癒しました。
王様とお別れしてから10分ほど歩くと、奥社参道に合流。随神門に到着です。
冬期は雪崩の危険があり、本殿まで行くことはできないので、杉並木の前で奥社と九頭龍社を遥拝。
全員で記念撮影をしました。

時刻は既に正午を回り、お腹も空いて来た頃。この後、戸隠森林植物園内を急ぎ足で、通り抜けることに(撮影も省略しました

雪の下に隠れた水芭蕉の小径を通り、高台苑地を登り下り、みどりが池を通り過ぎ,,,ラッセルがない新雪の上を歩けば太ももが鍛えられ、シェイプアップ効果もありそうです!
雪上をひたすら歩くこと小一時間。ついに昼食会場のそばの実へ到着!スノーシューを脱いだときにはスキー靴を脱いだときと同じような解放感がありました


長時間歩き、体がポカポカになった私は、迷わず冷たいおそばを注文!

瑞々しく、コシがあって美味

一般的なスノーシューウォークならお昼を食べて解散...の場合が多いですが、今回は戸隠スキー場50周年スペシャル!
ということで、この後、意外な展開が....

「雪上戸隠参拝ウォーク 後編」へ続く。
2013年09月06日
戸隠古道歩きのすすめ。

こんにちは。雨の多い一週間となりました。
山は今日も雲の中ですが、空には風に遊ぶ鳶、野にはそばの花、黄金色の稲穂、花豆の赤い花...高原の秋は色彩に溢れています。
暑くもなく、寒くもない、戸隠を歩くのはぴったりの季節です。
ということで、今回は戸隠参拝古道歩きのおすすめ。
一之鳥居から始まるかつての戸隠神領域に残された、戸隠参拝古道。
一之鳥居から中社まで53丁、中社から奥社まで36丁、総距離は約10kmに及びます。
雑木林の中に続く道を、生き物の営みを感じながら歩くのもいいですが、
こちらの拓本集印帳を片手に、古の物語をひもときながら歩いてみるのはいかがでしょう。

今年度のパンフレットにもご紹介しておりますが、戸隠古道の史跡や景勝地等30ヶ所に、石碑が建てられ、拓本集印ができます。

たとえば、こちらは、中社駐車場の山側の道を進んだ所にある女人堂跡。
その昔、奥院は女人禁制だったため、女性はこの地から遥拝したといわれています。奥院道と越後道の分かれ道でもあり、「右えちごみち 左 おくのいん」の道標が建っています。この石碑をよくみると、上部に凹みがあることに気が付きます。
梵字が刻まれていた跡で、明治の廃物希釈の際に、削られたそうです。
各所の印のデザインにも、歴史物語の一幕がよく表されています。
こちらは女人堂跡の先にある「女人結界の碑」のデザイン。

こちらは戸隠キャンプ場入口近くにある「念仏池」のもの。

鎌倉時代に、戸隠参詣にいらした親鸞上人が発見したといわれる念仏池。
上人が「南無阿弥陀仏」と唱えると、ぶくぶくと砂を吹き上げたと伝えられています。
このように、その場所に残された歴史の片鱗についての知識があれば、歩く楽しみも増しますね。
戸隠古道の歴史を詳しく知りたい方は「古道を歩く戸隠神社五社めぐり」(信濃毎日新聞社)が参考になります。戸隠観光案内所や蕎麦店、土産物店でも購入できます。
また、地区内の旅館の主人のガイドによる「戸隠参拝古道五社巡りウォーク」も定期的に開催しております(次回は10月4日(金)、31日(金))。
ご興味のある方は奮ってご参加ください!
そして、30個全て集印された方は、戸隠観光案内所にてささやかな記念品を贈呈致します。

観光協会オリジナルの印もありますので、ぜひお立ち寄りください。

2013年04月04日
戸隠で音を楽しむ。

こんにちは。福寿草にフキノトウ、アズマイチゲの花も開き、畑にはトラクターとお百姓さんの姿。
いよいよ戸隠に春が来ました!
さて、今回は3月30日(土)に戸隠スキー場越水ゲレンデのレストランシャルマン戸隠で行われた「戸隠サロン〜魔法の音楽の夕べ〜」のレポートです。
このイベントは今年、開場50周年を迎える戸隠スキー場の記念プレイベントとして実施されました。
当日は寒の戻りで氷点下の冷え込みにも関わらず、戸隠地区内外から100名以上のお客様が参加してくださいました。
各種メディアでも報道されたので、ご存知の方も多いかと思いますが、今回のイベントではサプライズ企画として「震災ヴァイオリン」の演奏がありました。
震災ヴァイオリンとはヴァイオリン製作・修復の一人者、中澤宗幸さんが東日本大震災の後、陸前高田市の流木やがれきの木材などで製作したヴァイオリンの通称。ヴァイオリン内部で音を響かせる「魂柱」というパーツには津波に堪えた「奇跡の一本松」の一部を使っているそうです。

中澤さんはこの楽器の演奏を通して被災者の支援と、犠牲となった方の鎮魂を目的に、震災の記憶を風化させずに語り継ぐための活動「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトを展開していらっしゃいます。
30日(日)は午後14時から戸隠神社中社にて3台目となる震災ヴァイオリンの製作完成奉告祭がありました。

戸隠神社宮司により、東日本大震災の復興と、亡くなられた方の鎮魂を祈願する祝詞が奏上された後、
長野市出身のヴァイオリニスト中村朋子さんによる献奏式が行われました。

厳かな雰囲気の中、演奏されたのは「荒城の月」、「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二章」、「故郷」の三曲。
心に染み渡るようなしっとりとした音色に、被災地の情景が浮かぶようでした。
中村さんと震災ヴァイオリンは、夜19時半から行われた「戸隠サロン」にも登場し、
そのパフォーマンスにお客様から拍手喝采が上がりました。

コンサートの第一部は弦楽四重奏。

長野県内で活躍されているヴァイオリニスト村石達哉さんとビオラ、チェロの奏者の方が出演しました。
「情熱大陸」など耳馴染みの楽曲からクラシックの名曲まで素敵な音色を響かせてくださいました。
ワイングラスを片手にしたお客様がほろ酔いになった頃、
第二部としてジャズバンド「牧さちこ with Frying Notes」が登場。

須坂市在住のジャズシンガー、牧さちこさんの艶やかな声が戸隠スキー場の夜空にマッチしてぐっと大人のムードに。
夜のシャルマン戸隠を利用して行った初めての「戸隠サロン」。
アルコールやソフトドリンク、軽食も用意され、歓談を楽しみながら和やかな雰囲気に包まれていました。
戸隠スキー場は4月7日(日)に今シーズンの営業を終了しますが、来シーズンは盛り沢山の50周年記念イベントを実施予定です。
どうぞご期待ください!
2013年03月11日
起動の春
こんにちは。ここ数日、ぽかぽか陽気が続き、戸隠にもようやく雪融けの季節がやって参りました。
と思ったら、今朝は久々に氷点下の冷え込みで鳥肌が立ちましたが…。
東日本大震災、長野県北部地震から二年。
犠牲者の皆さまのご冥福をお祈りするとともに、遺族の方々、今なお避難されている方々に思いを込めて、黙祷を捧げさせていただきました。
私にできることは今ある命に感謝し、できるだけ省電力で過ごすこと。
些細なことですが、2年の節目に日常のありがたさを改めて見つめ直しました。
さて、いよいよ新年度。
戸隠でも来月末からの大型連休に向けて皆さまをお迎えする準備が進んでおります。
そのひとつが戸隠神社奥社入り口の駐車場(鳥居の横)。
ご存知の通り、昨年8月より当協会が管理することとなり、参拝客の皆さまから駐車料金(普通車1日500円)を頂いております。信濃町方面からお越しになるお客様が増えている近年、戸隠の玄関口となりつつある奥社の参道入り口。昨秋からは「日本一の駐車場を」を目標に掲げ、奥社駐車場舗装化プランニング委員会を発足。単なる整備された駐車場ではなく、インフォメーション機能も充実させ、より安全で快適な参拝をしていただけるように、話し合いを重ねてきました。
除雪作業の後、今月下旬から着工予定です。
個人的な意見ですが、今後の目標として、案内所でお客様からのお問合せが多い、奥社参道での車椅子レンタル(砂利道用)を考えております。
今日はバリアフリー観光の先進地伊勢志摩バリアフリーツアーセンターから資料が届き、わくわくしながら頁をめくっております。

来月下旬のオープンまで、工事の様子等、随時お知らせしていきたいと思いますのでお楽しみに。