2014年05月31日

蕎麦とスイーツを楽しむ戸隠日和。


こんにちは。一雨ごとに草が伸び、樹々の緑が濃くなる戸隠です。
今回は食いしん坊レポート。先月(4月)にバードライン沿い、戸隠そば博物館の並びにオープンした蕎麦切茶房 戸隠日和さんのおいしいものをご紹介しますicon12

取材に伺った日はあいにく曇りがちでしたが、お天気が良ければ右手に戸隠連峰、左手に雪渓の北アルプスが望める眺望抜群の立地です。
店内はエントランスから客席までバリアフリー。車椅子用のトイレも完備されています。

柔らかな灯りで落ち着ける雰囲気。客席はテーブル席とお座敷併せて約50席。

おすすめメニューが黒板に書かれているのも、素敵ですね。
メニューも全て手描きでほのぼのした雰囲気。ご主人の山口茂さんの娘さんのアイディアだそうです。


さぁ、お待たせしました!
ご主人に「おすすめのメニューを」とお願いして運ばれてきたのはこちら。

女性客に人気だという「日和そば」(税込み1,188円)です。
冷たいお蕎麦の上に、素揚げした旬の野菜と信濃地鶏のササミ。汁をかけていただきます。
お蕎麦はモチモチとした食感で汁とよく絡み、信濃地鶏や野菜との相性も抜群!
一皿食べると満腹に。おいしくお腹いっぱいになり、ヘルシー感もある。女性に人気なのもうなずけます。
ご主人にPRポイントを尋ねると、「自家栽培のお蕎麦と、スイーツです」
蕎麦は戸隠内にある農場で、ご主人自らが種まきから収穫まで手がけているというので驚きです。face08
蕎麦の挽き方にもこだわり、実の中心部よりも外側の部分を多めに使い、石臼で割ってから挽いている(挽きぐるみ)そう。
そうすることで、蕎麦の風味が引き立ち、モチモチ感が出るそうです。麺に少し茶色っぽいものが混ざっているのはこのためだったのか、と納得しました。
夏から秋にかけては戸隠の野菜がおいしい時期。「旬の戸隠野菜もふんだんに使っていきたい」と話してくださいました。

そして、黒板に「当店一番人気!」と書かれたスイーツを別腹で頂きますface05

そばぷりん(324円)。一口含むとそばの風味がふんわり広がり、幸せな気分にicon12
そば茶を使って仕上げた逸品は、口コミで人気拡大中!ですが、テイクアウトはできないそう。来店した方だけが味わえる贅沢です。
スイーツを担当しているのは、娘さんの安原奈緒さん。実家のご両親がお店をオープンするということで、会社を辞められたそう。飲食店で働いた経験を生かしつつ、抜群のセンスでご両親を支えています。

「撮影用に」とかわいらしいケーキも運んでくださいました。レアチーズケーキ(486円)。
あまりにもおいしそうなので、ちゃっかりお味見させていただきましたface03ふわふわのチーズと甘酸っぱいブルーベリージャムのハーモニーが絶妙でした♪

家族経営の温かい雰囲気が心地よい、また訪れたくなる「戸隠日和」でした。

左から山口茂さん・道子さんご夫婦、娘さんの安原奈緒さん。


  


2014年05月19日

春の花めぐり越水さんぽ。


                          山の庭タンネ前庭のカタクリ

こんにちは。飯縄山の雪が消え、芽に若葉、風薫る五月となりました。
山野草や野鳥好きの方には最高のシーズン。ウォーキングイベントも多い時期です。
ということで、今回は5月14日(水)に開催した戸隠さんぽ隊「越水さんぽ」の様子を報告致します。
ちょうど1年前に結成した戸隠さんぽ隊。今年もファミリーでおさんぽできるコースをイラストマップにするため、3回計画で地区内を歩く予定です。
今回は戸隠・飯綱地区にお住まいの3組の親子が集まってくださいました。スタートは戸隠森林植物園駐車場。

幸先良く植物園の駐車場入口の大山桜は満開icon12
意外と知られていませんが、長野県指定「小鳥の森」石碑の奥に仏像(万霊供養の塔)が立っています。


道路を渡り、越水ヶ原へ。ウグイスの鳴き声がさかんに聴こえます。
稚児の塔を通過。

「妻にきた男からの艶文を、字の読めない夫に代わって読んだ養子の子供が、夫婦仲が壊れることを心配してただの手紙のように読んだ」と書いてあります。この塔の意味を子供に説明するのは難しいですねicon10

次に、公明院に立寄り、飯綱権現石像、日本六十六州一の宮、釈長明火定の地の石碑等を見学。戸隠信仰の歴史に思いを馳せた後、境内のカタクリ群生地へ。

木漏れ日差すカタクリの苑。この時期にしか出会えない奇跡のような風景ですicon14

かつて越後からの参拝の道であった旧越後道男道を歩きます。

越水ヶ原はスキー場へ向うメイン道路は舗装路なので、おさんぽには旧道がよいかと思って選んだ道ですが...小さなお子さまを連れて歩くのは難しいかなと、ちょっと反省…。そもそもここはかつて女性が通ることのできなかった男道。今も女性一人で歩くのは控えた方が良さそうです(緑が茂ると薄暗いかもしれません)。
一休みできるベンチスポットは要チェック!


「女人結界の碑」を経て、山の庭タンネへ。ここまで大人だけだと30分の道のりを約1時間かけて到着です。満開のカタクリを見ながら休憩。宿のご主人との会話も楽しみました。


シラネアオイも優雅な姿を見せていました。

今日参加してくれたお子さんは皆1歳児。お昼が近づき、眠気もやって来る頃 ...
コース後半全部を歩くのは難しくとも、せっかくの機会なので、もうひと頑張りしてもらうことに。
戸隠山の絶景に励まされて再出発です!


タンネから100メートルほど北へ歩くと、せせらぎの小径の入口があります。


戸隠スキー場の第4駐車場へ至る緩やかな斜面には幅2メートルぐらいの木道が整備されています。
紫色のミヤマスミレが可憐な花を咲かせていました。

10分ほど歩くと、ぼーっと佇むのにちょうどよい木陰が現れ、ベンチも2ヶ所にありました。


一人のお子さんがママの抱っこで寝てしまったので、スキー場第4駐車場からは車移動に。
最終ポイント、白樺荘の水芭蕉園へ。車で3分、歩けば30分弱の道のりです。

妖精のような白い姿と、甘い香り。しばし、現実を忘れて白い妖精と、リュウキンカや二輪草の群生に心を潤しました。

今回は、やむを得ず一部車を使いましたが、予定通り12時前に植物園駐車場へリターン。
イラストマップ化するにあたって、今回のコースは「親子で歩ける」に注釈付となりそうですが、
貴重な体験となりました。参加してくださったママさん達、どうもありがとうございました!
次回は6月18日(水)。大久保〜野鳥の里ペンション村を歩きます。
初めてのご参加も大歓迎です!





  


2014年05月13日

「戸隠旬ウォーク」レポート


こんにちは。たくさんのお客さまがお見えになったGWが過ぎ、これから1ヶ月ほど、新緑が素晴らしい時期を迎える戸隠です。
観光協会の事務局から見える飯縄山の山裾にも新緑が見えるようになりました。この時期の緑のグラデーションには本当に目が奪われ、心癒される彩りです。
さて、今回は5月8日(金)に行われた「第1回戸隠旬ウォーク〜ミズバショウと野鳥のさえずりを楽しむ春の息吹ウォーキング」にスタッフとして参加しましたので、写真とともにご紹介します。

今年からスタートしたウォーキングイベント。「観光コース」ではなく、旬の草花や知られざる絶景をゆっくり歩きながら楽しんでいただきたいと、戸隠の自然を熟知し、ガイド経験も豊富な戸隠登山ガイド組合のガイドの案内で歩くコース設定。初回にも関わらず、県外の方を含む10名のお客さまにご参加いただきました。
この日のガイドは、民宿鳥見亭のご主人、バードウォッチング歴20年以上の吉井一夫さん。
自称「てるてる坊主」とおっしゃる晴れ男。雲が多めではありますがまずまずのお天気に恵まれました。
戸隠森林植物園森のまなびや前を出発し、手始めはみどりが池に泳いでいた水鳥の説明。「小さいカモなので"コガモ"です!」

バリアフリー木道を奥社方面へ。
園内にはたくさんの鳥の巣箱がかけられていますが、鳥のサイズによって穴の大きさが違っているそう。知らなかった!

木の根本に注目!冬の間に雪に埋まっていた部分がネズミ等に皮を齧られてしまっています。こうなると、木は死んでしまうそうです。恐るべき害チュウ...

吉井さんが双眼鏡で何やら見上げています。
♪ピリピリリ..
「サンショウクイという鳥です。山椒は小粒でピリリと辛いと言う訳ですface02
素人には鳥の姿こそ見えませんでしたが、その鳥のさえずりとネーミングの妙が心に残りました!

10分程歩いて入口広場へ出ました。
カタクリ、ヤマエンゴサクの共演。

案内板の脇から再び木道を歩きます。右側に水芭蕉の群生が広がり、おとぎ話のような光景がicon12参加者の皆さんはカメラをパシャパシャ。

水芭蕉の間をチョンチョンと歩くアカハラにも出会いました(残念ながら写真は撮れず)。

「しばらくここでぼーっとしていたいわ」という声も聞かれましたが、今回はウォーキングなので、どんどん行きます。

近くには二輪草も咲き始めていました。二輪草は風味がよく、味噌汁に入れたりもするそうですが、葉っぱがトリカブトと酷似しているので要注意ですface08

こちらは富貴草(フッキソウ)。名前がおめでたいので、雑草を防ぐため畑や庭に植える人もいるとか。

行者ニンニクも群生。戸隠森林植物園は国立公園なので、採集はできませんが、お好きな方にはたまらないですね。

木道を離れ、小鳥のこみちへ。杉等の常緑樹も混じる林の中です。
スミレサイシン。川端康成の「牧歌」という随筆にも登場する少し大きなスミレ。低地ではあまり見られない貴重な種です。

そして、キクザキイチゲ。ほのかな紫色がとても上品です。

こちらはカンバの仲間の大木。倒れた幹から樹が生え、こんな形になっています。
昔の人が薪をとるため雪上に出ている部分を切り、切り株から新たな芽が出て成長した樹=「アガリコ」も、戸隠の森の中にはたくさん見られます。

一行は外周の小径へ。

針葉樹の森を抜け、明るくなった林の上で耳を澄ませると「フィーチーチー」という声。
声の主はクロジ。「アカジではないですよ。アオジという鳥はいますが、鳥にアカジはないんです」と吉井さんの明解説が入ります。
ミズバショウの群生地でもあり、ツキノワグマの餌場でもある植物園。クマの通った笹薮やイノシシが土を掘り起こした跡など、野生を感じる道を10分ほど歩きますと、パッと視界が開け、こんな景色が。正体不明の女人の像(向かい合って2体あります)。

小川に架かる橋を渡ると小さなお社が現れました。

天命稲荷です。戸隠最後の修験者と言われる姫野光明師が建立し、伊勢の下宮の御祭神・豊受大神を祀っています。
一節によると、戦国時代にこの地は首塚であり、その生霊を鎮めるためにお社を建てたとか...。

せせらぎに沿って5分程歩くと鏡池が見えて来ました。

鏡池前に到着!戸隠連峰の西岳がくっきり見えて、大山桜も見頃。素晴らしい景色に皆さんから歓声が上がりましたicon12
ここまで終始平坦な道をゆっくり歩いて1時間15分程。皆さま思い思いに写真を撮ったり、15分の休憩を楽しみました。

帰りは天命稲荷から東へ向う林道を歩きました。
冷たい風が吹き始め、雲行きが怪しくなって来ました。ミズバショウが咲く林の向こうに戸隠山が見える場所を発見!

若干の上り坂で、笹薮が続く単調と思われる道にも、吉井さんの絶妙のガイドが。

戸隠の伝統工芸竹細工に使われるチシマザサ。棹が弓上に曲がっていることから戸隠では「根曲がり竹」と呼ばれ、竹細工の貴重な材料となるため、採取は禁じられています。

一方こちらはクマザサ。熊ではなく隈笹で、冬になると葉が隈取りされたようになります。葉の裏に毛が生えています。

高台園地の下の小高い丘に到着、ゴジュウカラやキビタキのさえずりをききながら、みどりが池まで下っていきました。

ミズバショウとリュウキンカが池をきれいに彩っていました。
集合場所の八十二森のまなびや前に到着したところでぽつぽつと雨が降って来ました。
奇跡的なタイミング。これも「てるてる坊主」の吉井さんのお力でしょうかicon01icon03
参加者の皆さんからは「ミズバショウがこんなに綺麗だとは知らなかった」
「また次回も参加したい」等嬉しい感想をいただき、何よりも無事開催できたことにほっと安堵して解散しました。

次回は6月13日(金)ミツガシワの群生と出会う池めぐりウォークです。
多勢の皆さまのご参加お待ちしております!



  


Posted by toga at 09:49Comments(2)自然イベント戸隠人