2015年03月25日

戸隠人の手仕事きらり。


こんにちは。今朝は雉子の鳴き声で目を覚ましました。いよいよ野鳥達の繁殖期。庭にはキビタキやセグロセキレイの姿も。外に出るのが楽しみになってきました。とはいえ、彼岸を過ぎてまた寒が戻った戸隠。大人も子どもも体調管理に気をつけなければならない年度末です。

さて、今日は信州戸隠そばの実にて現在開催中の『戸隠人の手仕事』展のご紹介です。
陶芸家、染織家、織物作家....戸隠にはさまざまなアーティストが暮らしていますが、地区内でその作品に見たり触れたりする機会は少ないもの。
そばの実の二代目、徳武祐介さんの発案で今回はジャンルを超えて11人の作家の作品が集められました。

楠田美重子さんのホームスパン(羊毛を手で紡いで手織りした布)。


加藤由美子さんのワラの篭。


富永楓さんの草木染めの羊毛。ストール、ブローチ、セーターなど。


小山智徳さんの織部焼。


柳澤幸江さんの天然石 スピリチュアルアクセサリー。


登山ガイドでもある酒井敬子さんの山葡萄の篭。


Woodpeckerの根曲がり竹ボールペン。

戸隠竹細工の製作中に出た廃材を有効利用したボールペンの制作は、徳武祐介さん。
竹の個性を活かした形は、持ちやすく、書き心地も◎です。

手仕事の温もりと色彩あふれる作品を目で堪能したあとは、舌でも。

妙高山の雪融け水で育った甘味のあるゆきエビが贅沢に使われたゆきエビのかき揚げ。美味ですicon12

ここにご紹介したのは作品の一例ですが、ほかにも多数の作品が展示・販売されています。
作品展は3月31日まで。ご興味のある方はぜひ足をお運びください。
  


Posted by toga at 10:59Comments(0)文化戸隠人戸隠そば

2015年03月17日

長野駅からはじまる戸隠への旅


こんにちは。今日は雲ひとつない快晴の戸隠。気温も10℃を大きく超えて、いよいよ春かと嬉しくなるような陽気です。
さて、このブログで初めてトップに戸隠以外の場所の写真を載せました。ご存知のとおり、3月14日に北陸新幹線が金沢まで開通となり、JR長野駅の駅舎・駅ビルもリニューアルオープン!駅前広場には花壇から甘い香りが漂い、往来の人々も楽しげでした。

4月5日から60日間の善光寺御開帳、4月26日からの戸隠神社式年大祭に併せてご旅行を計画されている方も多いでしょう。
そこで、今回はお客様からのお問合せも多い、JR長野駅から戸隠へのアクセス方法のひとつを、新しくなった長野駅からご紹介します!

こちらは北陸新幹線・長野駅の改札口を出た景色。

進行方向は右側(善光寺口)ですが、その前に前方壁面のモニターが目に入りました。
長野市内の観光名所や景勝地を映した動画で、戸隠も紹介されています。




モニターから右方向に歩いて行くと、左手に長野市観光情報センターがあります。

中に入ると元気な3名の女性スタッフがにこやかに迎えてくれ、戸隠のパンフレットや地図も置いてあります。
お隣のコーヒーショップとつながっているので、ブレイクしながらの情報収集もよいですね。

10段ほどの階段(EV、エスカレーターもあり)を下ると駅ビルMIDORIがあります。

直進して突き当たり左側のエスカレーターで地上に降りることができますが、ちょっと寄り道して、MIDORI3階のりんごの広場へ。
ガラス張りのホールからは駅前広場を展望でき、吹き抜けになっている反対側の壁面には長野を代表する画家東山魁夷の「緑映」がicon12


ホールではオープニング企画として東山魁夷の風景画のパネル展示が行われていました。戸隠で描かれたあの作品も間近に見ることができましたよface05
お土産売り場からの甘い誘惑につられそうになりながら、エスカレーターで地上へ。

前方左手に如是姫像の変わらぬ姿を見てなんだかほっとした私。すっかりお上りさんです。
さて、駅前のロータリーの様子はすっかり変わりましたが、戸隠行きの路線バス乗り場は、以前と変わらず7番乗り場。
直進して横断歩道を渡り、平安堂ビルの下、長野駅前郵便局の横です。

アルピコ交通の案内所の前なので、バスが来るまで室内で待つことができて、便利です。
戸隠方面行きのバスは4月5日までは戸隠スキー場行きの冬ダイヤですが、まもなくダイヤ改正になります。
7時から19時までほぼ1時間毎に出発しますが、戸隠中社までは所要約60分ほど。時刻表をよくご覧になって計画をたててください。
また、4月25日〜5月31日までは善光寺から戸隠中社行きのライナーバス「善光寺・戸隠神社祈願ライナーバス」が運行されます。こちらも併せてご利用ください(要予約)。

路線バスは時間によって、浅川ループ橋経由、七曲がり経由の2コースがありますが、左手に大座法師池が現れると後は一直線。
カラマツの樹間を縫うように戸隠バードラインが続きます。
戸隠そば博物館のバス停を過ぎると、目の前の風景が一気に開け、右側に戸隠連峰の絶景が広がります。
飯縄山と違い、戸隠山はその名のとおり「隠れた山」。長野市内からはほとんど遠望することができません。それだけに、この場所で初めて戸隠連峰の雄姿を見て感動される方が多くいます。地元に住んでいても、何度見ても感動する絶景です。

晴れていれば、左奥に白馬連峰も見ることができます。

そして、宝光社前原にある結界のしめ縄をくぐると、戸隠の世界の始まりです。ここ(商工会館前バス停)から戸隠中社まではバスで約12分。徒歩だと小一時間かかります。


豪雪だった今年は雪が多く残っていますが、5月上旬頃には雪の下からミズバショウや二輪草など可憐な山野草が開花することでしょう。
長野駅からわずか一時間で、別世界に身を置くことができます。大規模な商業施設も、コンビニもない戸隠ですが、
この神々しい自然こそ、何にも替えられない財産。
間もなく春を迎える戸隠へ、ぜひお出かけください。




  


Posted by toga at 15:02Comments(2)周辺観光

2015年03月07日

戸隠の未来を語る。


こんにちは。少し温かくなったと思って薄着をすれば、翌朝は再び氷点下の冷え込みになったり、春の足音が聴こえてくるこの季節はそわそわと落ち着かない時期です。そもそも、年度末ですしね。
いよいよ、3月14日には北陸新幹線が金沢駅まで開業icon124月5日からは善光寺御開帳、戸隠では4月26日から一ヶ月間、戸隠神社の式年大祭が行われます。
雪融けを待たず、戸隠をお参りいただくお客様へのおもてなしの準備が始まります。

そんな動きの中で、戸隠人が集う2つの会に参加しました。
まずは、戸隠中社・宝光社地区まちづくり協議会が主催した戸隠まちづくりシンポジウム2015。

以前のブログでも紹介しましたが、長野市の歴史的風致地区に指定され、伝統的建造物群保存地区とし今後、町並みの整備がされていく戸隠。地域の皆さんの関心も高く、会場の中社公会堂には女性を含めて多勢の姿がありました。


この日のメインは先進地区として京都府南丹市美山町から「北村かやぶきの里保存会」の中野貞一さんをお招きしての講演会でした。

日本の原風景と呼ばれる田んぼに囲まれた茅葺き屋根の北村地区。その昔は林業王国といわれ、農林業で成り立っていた北村は昭和40年代以降、過疎化、少子高齢化により衰退し、棟が落ちる茅葺きも出現したそうです。
一方で、北村の素朴な風景を映そうと、カメラマンや絵描きが多く訪れ、それによって住民も北村の魅力を再確認していったということ。
そして、なんとか村を甦らせようと、雑穀の餅の生産販売や里芋の協同栽培など地道な取り組みをはじめ、行政(旧美山町)からも積極的な働きかけを受けて伝統的建造物群保存地区指定を目指したそうです。
行政の後押しを受けながら町おこしを進める中で、中野さんが一番お気に入りだったのは「目指せ日本一の田舎づくり」というキャッチフレーズ。
店屋はほとんどなく、建物もただの農家住宅。けれど、それがウリ。あるものを第一に自らの手で地域を守っていこうという町民意識、連帯感が醸成されたといいます。
こちらの写真は地域新聞「ふるさと」(縮刷版)

町民の啓発、親睦を図るために、手書きで北村の出来事や住人のインタビュー、写真など30年の長きにわたって北村の「今」を記録しているそうです。
素晴らしい努力ですね!icon12
こうした地道な活動が実って、北村地区は平成5年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
中山さんは、茅葺き所有者だけでなく、トタン葺きの住人も含め全員の同意を得たことが最大のポイントだとおっしゃっていました。当時は全国初のことで、これにより、住民間の不公平がなくなり、後の活動がとてもやりやすくなったそうです。

その後、保存優先の基本理念、精神的な心がまえを「北村かやぶきの里憲章」という形で制定し、全額住民出資の合同会社も設立。特産品の開発や生産、直売などにより、雇用も創出されているとのこと。
短時間の講演だったので、お話の内容は活動のほんの一端だったかと思いますが、戸隠宝光社・中社地区のまちづくりにあてはめてもとても参考になり、有意義でした。

さて、もうひとつご紹介するのは戸隠の観光や農業に携わる若手有志を中心とする「戸隠未来会議」。
一時の戸隠ブームが去り、観光客とともに人口も右肩下がりの戸隠において、10年、50年後の子どもたちに何を残していくのか、ビジョンを描き、それに向けて進んでいくためのワークショップ型会議です。
2回目となった今回は、戸隠に熱い想いのある長野市の観光振興課の担当者も含め、20数名が集まりました。
参加者が4チームに分かれ、戸隠のよい点、悪い点を洗い出し、カテゴライズして模造紙にまとめていきます。

ふだん思っていてもなかなか言う機会がないようなことも、この場では自由に発言でき、会話をしながらの作業は、とても面白く、ついつい時間が経つのを忘れそうでした。
その後、まとめた内容をグループごとに発表します。

浮き上がった課題の優先順位をつけ、その解決のために何をしていけばよいのかを考えていきます。

年齢、職業、立場は違えど、戸隠の自然と文化を愛する戸隠人たち。
50年後の子どもたちの笑顔のために、どんなビジョンを持って進んでいくのか、乞うご期待!




  


Posted by toga at 06:48Comments(2)戸隠人