2014年06月13日
戸隠山のてっぺんで。
こんにちは。梅雨空の下、草木が著しく成長する季節となりました。
梅雨の晴れ間には田畑の雑草を刈る刈り払い機の音が鳴り響く季節でもあります。草や害虫と葛藤しながら、大自然の中に住まわせていただいていることを実感する日々です。
さて、去る6月3日、戸隠地区山岳遭難防止対策協議会で、高妻山・戸隠(表)山・黒姫山・飯縄山・西岳の登山道調査を実施されました。学生時代以来10年のブランクがある私でしたが、観光協会に勤めさせていただいている以上は一度は登っておきたいと、意を決して戸隠山の調査に同行させていただきました。
登山道の詳細等について、初めて登った私がレポートをすることはできませんが、大変心に残る経験だったので、記録として残させていただきたいと思います。

戸隠神社奥社からの急登。一気に400メートルぐらい登ります。

道中にはこんな落とし物もあります。猿の糞。踏むと厄介なので要注意!

五十間長屋で最初の休憩
当日は暑くもなく、寒くもない、まずまずの登山日和でしたが、山頂から見えるという富士山や北アルプスは雲に隠れていました。その分、足元に見える戸隠の森の緑が素晴らしく、蟻の塔渡りから振り返って見えた鏡池のきらめきなどが心に刻まれました。

シラネアオイ。庭で咲くものより、色が濃いようでした。
「木曽路はすべて山の中にある」とは島崎藤村の名言ですが、「戸隠はすべて緑の中にある」ということをつくづく感じました。これだけの緑に包まれた、標高の高い土地に、数百年の歴史ある御師集落があり、農村地帯があり、心やさしい人々が暮らしている戸隠。「天空の城ラピュタ」のように奇跡的な場所だなと、戸隠山のてっぺんで、そんなことを思いました。

百間長屋
修験者が窟に籠もり、いろいろな術を身に付けるべく修行した山であることも、これまでは「遠い昔の話」としか思えませんでしが、実際に登ってみるとその跡を見ることもでき、「生の歴史」を感じることができました。

また、山岳レスキュー隊の皆さんの登山者の安全を守るための地道な活動、プロ意識に触れ、大変勉強になりました。

戸隠スキー場のある瑪瑙山方向。
蟻の塔渡り(山頂方向)
蟻の塔渡り(鏡池方向)
登山道入口からの40分の急登、蟻の塔渡りの断崖絶壁は言うまでもなく、九頭龍山から滑滝までは残雪もあり、大変足元が悪い状態でした。また、不動滝・滑滝は「登山道」というイメージからはほど遠く、「ここ通るの?」と疑いたくなるような沢の上を下ります。
八方睨み
日本百名山 高妻山
八方睨みより少々下ったところにある山頂標識。地味な感じなので危うく通り過ぎそうになりました。
九頭龍山山頂。あいにく視界不良でしたが、ここで昼食休憩。おにぎりを食べている間に額をアブに刺されました。

水墨画を見ているような絶景。
一不動避難小屋。宿泊は禁止。急な雨や雷の際にエスケープすることができます。
残雪残る斜面から不動滝へ。ロープを持っていても危険です。
氷清水。まさに「生き返る」おいしさ!。ペットボトルに入れて家に持り帰り、自宅で飲んでも格別においしかったです。
帯岩。鎖が切れていて、補修しながら進みました。後ろ(下)を見ずにカニ歩きです。
危険な箇所を全てクリアして、迎えてくれた二輪草の群生には本当に癒されました。
登山道入口から約6時間。戸隠牧場に到着!
とはいえ、花や景色を愛でる「トレッキング」を楽しむ山ではありません。
登山を検討している方は、必ず「登山計画書」を提出し、戸隠山をよく知っている人と一緒に登ることをお薦めします。
また、終始頭の回りをアブが飛び交い、油断すると刺されますので虫除け対策(ハッカ油がよく効きます!)をお忘れなく。