2015年07月21日
奥社参道をゆく
こんにちは。梅雨から猛暑、そして台風と忙しく変わる天気に体がついていくのが大変という声もきこえますが、皆さまお元気でしょうか。
いよいよ本格的な暑さがやってきます。ぜひ、夏でも布団をかけて眠れる戸隠へ遊びにお出かけくださいね。
ということで、今回は古道(神道、奥社道)歩きの最終回。
このブログをお読みになる皆さまなら既に何度も歩かれた道かと思いますが、この時季ならではの草花に目をとめて、また意外と知られていないところもご紹介して参ります。
大鳥居から真っすぐに続く戸隠神社奥社参道の全長は2km。
鳥居の前で一礼をして、参道の中央を避けて歩きましょう(中央は神聖な領域です)。
鳥居をくぐってすぐ左側にあるのが、一かん龍王祠。先月の「奥戸隠池めぐり」でご紹介した種池(信濃町)の主を祀っています。毎年6月の巳の日に行われる種池祭では種池とここの祠の前で神主さんが祝詞をあげます。

参道の両脇には戸隠山の雪融け水が流れています。
このせせらぎが、奥社参道の魅力のひとつだと私は思います。
伊勢神宮の内宮の参道右側に清流が流れてることは有名ですが、参道を浄めるかのように両側に自然湧水が流れ、豊かな植生を保っているは全国的にも稀でしょう。むろん、一年のうち半分は雪に埋れてしまいますので、そういう意味でもかけがえのない清流です。
~奥社参道植物図鑑~
ヤマボウシ(ミズキ科)
ヨメナ(キク科)
ヤグルマソウ(ユキノシタ科)
ショウキラン(ラン科)
もうひとつ、参道で貴重なのが、この丁石。

ご存知の通り、一ノ鳥居から始まる戸隠古道の道標ですが、中社から先の古道においては雪の影響か、朽ちてしまったものが多く、現存するものはわずかです。この二十一町(中社から)の丁石は大鳥居から随神門(ずいじんもん)に向う中間の左側にあります。ぜひ見つけてみてください(夏場は草に埋もれて見えにくくなっています)。
週末などは多勢の参拝客で賑わう奥社参道。特に随神門付近で人影のない写真を撮ることは難しいですが、この日はたまたま静かな随神門を撮ることができました。明治以前、神仏習合時代には仁王門であり、仁王像が祀られていました。
冬は狛犬の足の辺りまで雪で埋もれてしまいます。
随神門をくぐる前に、もうひとつ知られざるスポットがあります。
上から見るとハート型に見える杉の根っこ。大切な人と一緒にここで写真を撮るのもいいですね(あまり見かけたことはありません)

茅葺きの随神門をくぐり、樹齢400年以上のクマスギの並木へ。
杉並木の左側、石垣が続いている部分が、戸隠山顕光寺時代の奥社院坊跡です。
標高1300mのこの地に12の院坊があり、修行僧達が生活していたというのですから、本当に驚きです

そして、今や伝説となった吉永小百合さんがCMの撮影で入った杉の洞(人が入って痛まないようにしめ縄が張られています)。
昨秋には、サザエさんのオープニングでも登場しました。
杉並木が終盤に差し掛かると右側にベンチがあり、その後方の川(講堂川)に小さな橋が掛かっています。
橋を渡ると、礎石が並んでいる空間が開けます。承徳2(1098)年に造られたという講堂の跡です。
なお、ここから参道を挟んで左側にはトイレがあります。このトイレも今年リニューアルされ、簡易水洗になりました。紙は流さず、横にあるゴミ袋に入れてきれいに使いましょう。
杉並木が終わると、参道には一部石畳が敷かれ、傾斜がだんだんと大きくなります。
石畳から石段へ。お客様からはこの石段の段数を問われることがありますが、おおまかに200段ぐらいです(崩れている部分もあり正確にはわかりません)。段差が大きいので、無理をせず、自分のペースで歩みましょう。
少し息が上がってきたところで、左側に現れる鳥居は、飯綱大明神を祀る飯綱社。
ここからまだまだ上りが続きますので参拝して一息入れるといいでしょう。
しばらくするとまた左側に石仏群が現れます。
大きな岩を背に、空を見上げるような仏様。神仏習合時代の名残と言われますが、詳細は不明です。
石段の向こうに、社務所が見えたら、奥社まではあと一息。
冷たい清水で手を清めて、いよいよお参りです。
この日はあいにく雲に隠れていましたが、奥社本殿の奥は戸隠山(表山)、神々しく、迫力ある風景。紅葉の頃もまた絶景です。
奥社参拝の後は、階段を下って右手の九頭龍社へ。
戸隠の地主神である九頭龍大神。水を司る神様であると同時に、好物が梨ということから、歯痛の神様としても人々から崇められてきました。
今でも梨をお供えする人が多いそうです。式年大祭期間中に設けられ、ご神体と鈴緒を繋ぐ「結びの糸」がまだ張られいますので、この機会にぜひご参拝ください。
社務所の前にはギボウシが咲いていました。
ということで、はるか昔から歩き継がれて来た、祈りの道を4回に分けてたどって参りました。
ぜひ、この夏のお出かけのご参考にしてみてください。
おまけのヤナギラン。
帰り道、中社付近にて。