2013年06月25日
戸隠でガーデンカフェ体験。

こんにちは。山々の緑が日増しに濃くなり、観光案内所では夏休みの混雑状況や登山の問合せが増えてきました。
今日は、神社でも、お蕎麦屋さんでもなく、戸隠でお茶をしながらゆっくりと時間を過ごしたい方にとっておきの場所をご紹介します。
宝光社地区の手前(バードラインと県道76号線の分岐点南側)、そば畑や雑木林に囲まれてひっそりとたたずむ別荘風の建物があります。
建物の正体は戸隠の自然と花が大好きなオーナー、南美千代さんが営むガーデンカフェ 花伝舎(かでんしゃ)。
一見すると、お花に囲まれたテラス付きのカフェですが、テラスの向こうには広大なガーデンが広がっていました。
敷地の広さはなんと4000坪!耕作放棄地になっていた農地と雑木林を利用し、地形と植生を生かしたガーデンは6つのエリアからなっています。
まずは季節毎に花が楽しめるフラワーガーデン。
園内は白系の花、パステルカラーの花、ビタミンカラーの花など、ゆるやかにゾーニングされ、それぞれのゾーンの中でも花同士がセッションするように、工夫して植えられています。

色とりどりの花々を前に、はじめはきょろきょろしてしまいましたが、
ひとつひとつをよく見ると、個性があっておもしろい!
こちらは、葉が羊の耳に似ている”ラムズイヤー”。
ネギの仲間、アリウム。
涼しげなカンパニュラ。
今年は少雨の影響で、株の育ちがよくなく、背丈が伸びないまま花が咲いているとのことですが、寒い長い冬を乗り越えて、たくましく花を咲かせた草木。
その生命力に感動!
せっかくつぼみをつけたのに、花を咲かせる前に豪雨等で折れてしまう株もあり、自然界の厳しさを学ぶこともできます。
日差しをいっぱいに浴びた花の園の後は、カラマツ林の中のシェードガーデンへ。
木道沿いには、数百株の水仙が植えられ、4月下旬には一帯が白や黄色に彩られるそうです。
カラマツの小径を抜けると、しっとり静かなサイレントガーデン。
白樺の下のベンチ。何も考えず、ぼーっと座ってみたいですね….。
見晴らしのよい高台から下を見ると、サークル状のハーブガーデンが。
ブルーキャットミント、オレガノ、タイム、セージ、カモミールなどなど、料理やスイーツ、お茶に使うハーブがたくさん花を咲かせていました。
もともと自生していた草木が素晴らしく調和しているのが、花伝舎ガーデンの最大の魅力。
花が好きで、「ターシャの庭」に憧れ、独学でガーデニングを学んだ南さん。
この土地と巡り合い、自然の草木を生かしながら、色を加えたり、耐寒性のあるものを調べては試し、失敗を重ねながらも、10年ほどかけて今の姿になったそうです。
こちらは満開のヤマボウシ。
実をたわわに実らせた桑の木。
珍しいヤマナシの木もありました。
お隣のそば畑の借景も見られるブルーベリー園の隣は店舗と直結するキッチンガーデン。
減農薬、有機栽培で、採れたての野菜をそのまま、お客さまに提供しています。
ということで、お待たせしました「花伝舎ランチ」。
この日は採れたてのレタス、ルッコラ、クレソンなどがたっぷり入ったサラダに、新タマネギとチキンのマリネ(フェンネルを添えて)、国産豚肉のウィンナとベーコンのアスパラガスソテー、ミネストローネスープ、パン(十穀米にもできます)、ドリンク(コーヒー、紅茶、ハーブティー、ジュース)が付いて1280円。
新鮮な野菜は、そのものに甘みがありますが、オリーブオイルベースのドレッシングをかけると更においしさUP!
アスパラとベーコンは憎らしいほどの相性。
さっぱりとした鶏肉マリネとフェンネルの香りのハーモニーも最高でした!
さらに、この時期のおすすめということで、アスパラマフィンをいただきました。
キッチンガーデンで採れたアスパラガスと、ベーコン、豆、チーズがトッピングされたお食事系のマフィン。
これひとつでもかなり食べ応えがあり、お土産にしても喜ばれそうです!
マフィン単品は1個300円。ランチセットはサラダとスープが付いて850円です。
食後はハーブティーでまったりと。
この日はカモミールにアップルミントと紅茶が少々入ったブレンドでしたが、その香りのよさに、午後の仕事も忘れて昼寝したくなるほどリラックスしてしまいました。
テッセンや野バラが満開を迎え、これから7月から8月にかけては山ユリ、9月はコスモスが見頃を迎えます。
7月にはブルーベリー園のブルーベリーも収穫時期を迎えます。
鳥や虫の音を聴きながら、おいしい野菜と美しい花々を堪能する、非日常のティ&ランチタイム。
ぜひ一度お試しください!
花伝舎の営業は4月下旬〜11月中旬(雪の状況によって)の10:00〜17:00。
カフェのご利用のお客さまは入園料無料です。
2013年06月11日
戸隠花図鑑(2)
こんにちは。戸隠では田植えがほぼ終わり、畑の作物の背丈も伸びてきました。
ここらでしっとり恵みの雨が欲しいところですが、今年は空梅雨でしょうか....?
調整をとるかのような突然の豪雨だけは勘弁してほしいものです。
さて、今回は5月下旬〜6月初旬に見頃を迎えた花々をご紹介します。
トップは戸隠森林植物園で撮影したヤマシャクヤク。玉のような白い花が緑の中によく映えて、うっとりと見入ってしまいます。
アツモリソウ(奥)とヒメシャガ(手前)(5/24 越志旅館)
「野生ランの王者」と言われるアツモリソウは、盗掘被害を受けやすく、全国的に稀少種として保護が呼びかけられています。
越志旅館では猫などに踏まれないようにつぼみの頃から割り箸で囲み、手塩にかけて育てているそうです。
エンレイソウ(5/22 戸隠森林植物園※以下同)

ヤブデマリ
イワカガミ
コバイケイソウ(6/6 戸隠森林植物園)
感じで書くと小梅蕙草。花が梅の花に、葉が蕙蘭に似ていることから名付けられたそう。
マムシグサ(6/3 古宮神社)
ヤマオダマキ(6/7 越水ヶ原)
レンゲツツジ(6/10 越水ヶ原)
番外編:親木の枝から垂直に若木が伸びるモミノキ(5/31 奥社参道入口)
2013年05月30日
戸隠で鳥を極める!

こんにちは。昨日は観測史上3番目に早い梅雨入りということで、雲の中にすっぽり入った戸隠です。
恵みの雨とはいえ、暑くもなく寒くもない、一年で最も爽やかな日が、今年はほんの数日しか続かず、異常気象に翻弄されているのは人間だけではないでしょう。
それでも、田植えの始まった田んぼから聴こえてくるカエルの大合唱や、
新緑の森で子育て真っ最中の野鳥たちに出会うと、ほっとします。
ということで、今回は戸隠地質化石博物館で開催中の「鳥の世界展」を見て参りました。

言わずと知れた野鳥の宝庫・戸隠。
展示室に入る前にまず目を奪われたのは色とりどりの鳥の羽根を一斉に並べた標本。
戸隠内で事故に合う等して運ばれて来た死骸をスタッフが丁寧に解剖し、一枚一枚分解して並べたまさに実物の野鳥図鑑

なかには全国的にも貴重なアカショウビンの標本も!なんでも、戸隠公民館のガラス窓にぶつかってお亡くなりになったそうです。
展示室内には、戸隠森林植物園で録音した野鳥の囀りが流れ、リラックスできるか...と思いきや、先に入った娘(年中)の奇声が!
それもそのはず。娘にとっては初めての、自分より大きい鳥の剥製がぞろぞろ。
1歳半の息子に至っては、母の腕にぎゅっとしがみつき、初めは声も出ませんでした。
こちらは、古来、日本人に馴染みの深いツル。

山水画等で「鶴」として描かれたものに、松の木の上に巣籠る鶴の画がありますが、
実際、鶴は木の上に巣を作らないってご存知でしたか?
解説によると、モデルとなったのは「コウノトリ」ということ。
今や絶滅危惧種のコウノトリさんですが、昔は鶴と間違えるくらい、よく見かける鳥だったということ!?
ちなみに上の剥製は豊野中学校で昭和32年頃から「鶴と亀」として所蔵されていたもの。実はコウノトリだったということが、最近になって発覚したそうです。
こちらは、珍しいトキの剥製。
長野高校からこの企画展のためにお借りしてきたそう。だいぶ年季が入っていますが、制作年等は不明です。

珍しい鳥たちの共演はまだまだ続きます。
全国的に貴重で、以前戸隠でも見られたことがあるヤツガシラ。
冠のようなヘアースタイルが個性的!
長野市城山動物園でお役目を終えた仲間たちも、博物館で剥製となってまだまだ活躍中。
インドクジャク。羽根を広げるのがさぞ大変だったと思われます。
こちらのペリカンは、動物園の飼育係さんの思い入れが強く、飼育係さんが自ら手がけたそう。
剥製部屋にて、唯一(?)微笑ましかった展示がこちら。
取り壊しになった保育園のポストの中に作られたスズメの巣。
中を覗けるのも、ポストならでは。
初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、学芸員さんのおもしろい解説をきくうちに、緊張がほぐれた様子。
最後には「もう行くよ」と言っても、なかなか立ち去ろうとしないほど、面白がっていました。
鳥類の祖先は恐竜、恐竜の子孫が鳥類....。
太古のロマンに思いを馳せられる、戸隠地質化石博物館。
「鳥展」は6/2まで。お急ぎください!
2013年05月17日
戸隠花図鑑(1)

こんにちは。今年は寒暖の差が激しい5月ですが、皆さま体調を崩されていませんか?
我が家のちびさんは、お腹の具合が悪く、今週はまるまる保育園を休みました。
風に揺れる小さな野の花に、色付き始めた山の色々な緑に、ため息が出るようなこの季節。
野を見渡せば、植物図鑑の中にいるような戸隠です。
花の見頃を見逃したという方のために、4月から5月に見頃を迎えた野山の花々の一部をご紹介します。
チョウジザクラ(4/26戸隠地質化石博物館近く)

オオヤマザクラ(5/13戸隠牧場)

前回、奥社前駐車場のシンボルツリーとしてご紹介したオオヤマザクラのマザーツリー。
樹齢400年以上と言われますが、今年もしっかりと花を咲かせてくれました。
カタクリ(5/3荒倉キャンプ場)

カタクリ(5/13越水 山の庭タンネ前庭)

タチツボスミレ(5/13 諸沢)

ニリンソウ(5/9 宝光社 山本館)

トガクシショウマ(5/9 宝光社 山本館)

シラネアオイ(5/8 下祖山)

ミズバショウとリュウキンカ(5/15 戸隠森林植物園)

今年は早い所では4月中旬に咲き始めたミズバショウ。
その後、4月末の降雪や遅霜に合いながらも大きな被害はなく、森林植物園では連休明けに見頃を迎え、長く楽しむことができました。
私はミズバショウを初めてみたとき、その香りのよさに驚きました。
まさに、天然のアロマテラピー♡
今年体験できなかった方も、来年はぜひお出かけくださいませ。
2013年04月30日
山の恵みをいただきます。

こんにちは。この春は寒暖の差が激しく、季節外れの降雪に驚かされたりと、
人間たちが翻弄されているうちにも季節は巡り、気がつけば山の木々が萌葱色の衣をまとい始めました。
戸隠森林植物園や戸隠神社奥社周辺には残雪がありますが、
大勢のお客様が戸隠の自然を楽しみに訪れるグリーンシーズンの到来です。
今回は、観光客の皆さまにとっては秘境ともいえる、旧柵村(しがらみむら)の里山にて
4月26日に行われた戸隠を知る会主催「草摘みの会」の潜入レポートです。
戸隠へお嫁に来て驚いたことのひとつが、冬の間はたくわんや野沢菜漬けの指定席だった食卓が、
春の訪れとともに緑色の山菜で埋め尽くされることです。
この時季、スーパーで野菜を買う必要などありません。
小一時間も歩けば、立派なおかずのネタを仕入れることができるのです。
さて、今日はどんな珍味に出会えるでしょうか?
旧柵小学校を利用した戸隠地質化石博物館から出発。

これぐらい伸びたフキノトウも茎を油炒めなどにすればおいしく食べられるそう。

カンゾウ(甘草)。漢方薬に使うのは根っこですが、今日はその名の通り甘みのある葉をいただきます。

土手に生い茂るアサツキ。

茎が赤っぽく、根がらっきょう型なのがアサツキ。

葉っぱが垂れるように伸びているのはノビル。根は丸型です。

食べられる木の芽シリーズ
①アケビ。お浸しにして美味。採ってしまうのは可哀想な気もしますが、「少しだけ分けてください」と声をかけながら。

②ハリギリ。トゲに気をつけて。

③タラノメ。最近は畑で栽培する人も増えています。

④コシアブラ。山菜ファンに人気の木の芽、天ぷらにして食べるにはあと一週間ぐらい待ちましょう。

杉林の下に、ぽっこりきのこを発見!食べられるかどうか、ひとつ採って持ち帰ることに。

こちらは食べられない「ドクゼリ」。

こちらも食べられませんが、お花のようなコケ。

オオウバユリの地下茎はユリネのようでおいしいそうですが、手掘りでは根が深すぎて採れませんでした。
茎から上を頂いて、試食してみることに。

地面を掘り返した跡が出現! 山菜の乱獲?

いえいえ、イノシシが土の中のミミズを探しに来たようです。

収穫物を旧家庭科室に持ち帰り、仕分けしてみると......計16種類。大漁です!!

内訳はアサツキ、アミガサダケ(持ち帰ったキノコ。食用可でした!)、アケビの新芽、オオウバユリ、カンゾウ、ギシギシ、コゴミ、コシャク、タラノメ、タンポポ、ツクシ、ノビル、ハリギリ、フキ、フキノトウ、ヨモギ。
別に用意していたエビやイカ、卵を合わせて調理の開始です!
ちなみに、今日の会のメンバーには宿坊や民宿のご主人も。
限られた機材と材料で手際良く調理が進みます。

山菜はごみ取りなど下準備に時間がかかりますが、小一時間で見事に10品程の料理が出来上がりました!

おいしいと評判だった一品をご紹介。
アサツキのふわふわ卵とじ。(料理長曰く、出汁を入れるのがふわふわに仕上げるポイント!)

カンゾウの酢味噌和え。(味噌+酢+砂糖+出汁)

フキノトウ(茎)の油炒め。

春の恵みの天ぷら盛り合わせ。

アケビの新芽のお浸しは、ほんのり甘く、滋味深い味わいでした。

ちなみに、一番不評だったのはオオウバユリの葉のお浸し。
衝撃的な苦さでした!(茎の天ぷらはまずまず食べられましたが)
普段「雑草」とひとくくりにまとめてしまう草花も、こうしてひとつひとつ調理し味わってみると意外な発見があります。
山菜はアクが強いので、食べ過ぎるとよくないといわれますが、
毎日少しずつ取り入れていれば、お腹もスッキリ!天然の健康食です。
改めて、山の恵みに感謝した一日でした。
※戸隠森林植物園や戸隠神社周辺など上信越高原国立公園に指定されている場所では、山菜採りはできません。
おまけ。(ボクがどこにいるかわかる?)

2013年04月20日
妖精たちのお目覚め。

こんにちは。しばらく更新をさぼってしまい、失礼しました。
ここ数日間ぽかぽか陽気が続き、里山では桜が開花しました(写真は柵建代神社)が、
今朝は再び氷点下に冷え込み、午後からはみぞれが降り注ぐ戸隠です。
そうでした。春の陽気が数日続いたからとうっかりコタツをしまってはいけません。
5月の連休ぐらいまではこんな日々が続くのです。
今年は、積雪は例年並みでしたが、雪融けがいつもより早く進みました。
戸隠森林植物園では4月26日のオープンを前に、ミズバショウが咲き始めました。


咲き始めてから雪にあたると色が黒ずんでしまうので、もうこれ以上降らないでと、お天道様に願うばかり。
まだまだ芽が出始めた株もたくさんあるので、ゴールデンウィークから5月中旬頃までが見頃になりそうです。
純白の水芭蕉と黄色いリュウキンカの共演も楽しみです。
近日中に春の花特集をUPしますので、乞うご期待!
そして、戸隠神社奥社前の駐車場舗装工事も着々と進んでおります。
4月13日 整地作業完了。

4月20日 アスファルト舗装完了。

参道入口の脇にはスタッフが常駐する管理棟とインフォメーションセンターとなるデッキが作られました。
奥の骨組みは二輪車専用パーキング。

これから植栽が施され、いよいよ27日(土)にオープンです!
どんな駐車場になるか、こちらもお楽しみに。
2013年03月04日
雪上ウォークは空中散歩!?

こんにちは。厳しい寒さの二月が終わり、弥生の名のとおり、木々の萌芽が始まりました。
雪原を歩けば、頭上に野鳥たちの囀りが響き、春の気配にわくわくします。
今回は、昨日(3月3日)行われた戸隠を知る会主催の「戸隠雪上自然観察会」のレポートです。
前日は地吹雪の荒れ模様でお天気が心配されましたが、当日は風もなく絶好の自然観察日和。
日向に出ればほんのりと温かく、嬉しくてたくさんシャッターを切りました。
県内外から集まった参加者(約40名)全員で軽いウォーミングUP。最年少は小学2年生です!

この後、スノーシューは3グループに分かれて戸隠神社奥社参道脇の雪原へ。
クロスカントリースキーは鏡池までのロングトレイルへ出発!

私は戸隠地質化石博物館の学芸員中村さんが率いるチームにご一緒させていただきました。
「今歩いている場所は2メートル以上の雪の上。雪がなければ空中を歩いていることになりますね」と言われ、気分が上がります

早速、新雪の上に何者かの足跡を発見!

肉球の形からテンでは・・・?と推測。
ミズナラが多数を占める森。
見上げれば、ヤドリギがたくさん。

こちらはお盆に樹皮が焚かれるダケカンバ。
乳白色の樹皮が雪原に映えます。

樹皮が漢方薬にも使われるキハダ。苦いそうです。

ヤマブドウのツル。下から上へ絡んでまた下へ。
自然の造形は不思議がいっぱいです。

この樹にもいろいろな生命が絡み合って生きています。

コケも間近で見ると面白い!

萌芽シリーズ
1トチ:動物に食べられないよう、芽がベタベタしています。

2サワグルミ:白くなっている部分をよく見るとサルの顔みたいでかわいい


3オオカメノキ:5月頃に白いアジサイのような花が咲くそう。

今日は複数のパーティが入って賑わっていたので、鳥の姿はあまり見られませんでしたが、シジュウカラやコゲラの囀りが聴こえてきました。
こちらは、ケラ類がドラミングした跡(巣穴ではなく、試しに突いたようです)

そして、樹齢400年とも500年ともいわれるミズナラの大木「王様の木」に到着!

この樹が見たくて、今日参加したという参加者からは歓声が。
スケールを使って王様の身体測定。

雪上に出ている幹の中間部分(胸部観測というそう)は6m5cmでした!
広葉樹林を離れ、随神門に到着。

名物・杉並木は、昨年DNA鑑定が行われ、そのルーツには中社の三本杉から挿し木をしたものがあることがレクチャーされました。

雪融けの時期や雨上がりには、ブナが水を吸い上げる音が聴こえるんですって!?
聴診器がないと難しいかな...

急に日が陰って北風が吹き、時折雪混じりに。ゴールはもうすぐ!

ここまで2時間弱の行程でしたが、慣れないスノーシューの走行で脚に疲労感。
けれど、この時期にしか見られない樹や植物と出会えて大満足

お昼は奥社前なおすけさんの名物の鴨ざるそば(1500円)で。お疲れさまでした!

2012年11月20日
戸隠で「実と種」を極める!

こんにちは。
先週は今シーズン初めてのまとまった降雪があり、
あわててタイヤにチェーンを巻くお客様の姿もありました。
今日は一転、眩しいような青空に覆われている戸隠です。
この時期、とめどなく木の葉を落としては引っ掻き回す北風。
寒空の下の落ち葉かきは、骨が折れますが、
この風に乗って、草木の種子が旅をしていると思えば、少しは楽しい気持ちになれますよね。
そんな草木の営みの不思議を教えてくれるのが、
現在戸隠地質化石博物館で開催中の「実と種~7つの物語」展です。
地質化石博物館といえば、知る人ぞ知る、戸隠地区唯一の博物館。
旧柵小学校の校舎を利用した大規模な施設です。
その名のとおり、太古の昔、海の底だった戸隠の姿を伝える貝類やゾウ、
ダイカイギュウなどの化石を中心に、戸隠の地質や歴史に関する資料を展示しています。
常設展も見応え十分ですが、年に2,3回開かれる企画展もユニークで人気があります。
最近は、小さいお子さん連れのお客様が多くなってきたということで、
今回の企画展は子どもが見て触れて楽しめることを意識したそうです。
まず、廊下には、世界の珍しい松ぼっくりや木の実の標本コーナー。

こちらはニュージーランド産。特別に取り出していただき、持ってみると、予想以上にずっしり!
現地では実が落ちる頃になると「頭上注意」の看板が立つそうです。
こちらは、今回の目玉商品?!「アルソミトラ」というウリ科の実です。
中には500個ぐらいの種が入っていますが、一粒の重さはわずか0.4グラム。
薄い羽が風に乗ってよく飛ぶので、グライダーの開発のヒントになったそうです。
ちなみに種は理科の教材として1個500円で売買されているんですって・・・!
展示室内では中学生が何やらわいわい楽しそう。
覗いてみると、様々な種を手に取って、飛ばしたり、鳴らしたり、体験できるコーナー。

先ほどのアルソミトラの種の折り方(折り紙)もあります。

風で飛ぶもの、水で流れるもの、動物にくっつくもの、鳥や獣に食べられて運ばれるもの。
こうして一同に並んでいるものを見ると、知っているようで、知らなかった事に改めて
気がつき、自然の営みの素晴らしさを実感します。

戸隠スキー場で夏(7~8月)に咲くヤナギラン。
あのピンクの可憐な花を咲かせた後は、こんな綿毛になるって、ご存知でしたか?

種と実が好きな人にとってはたまらない企画。面白くて1時間もはまったというお客様もいるそうです。
戸隠特有のおいしい「実」=「そば」を食べた後の腹ごなしに、
博物館でサイエンスはいかがでしょう?
12月2日まで開催中です!
※11月26日(月)は休館
2012年10月12日
戸隠女子的紅葉の楽しみ方

10月も半ばに入り、毎日たくさんのお客様から紅葉についてのお問い合わせをいただいております。
今年の鏡池の紅葉の見頃は例年より1週間程遅く、来週末ぐらいが見頃になりそうです(あくまで予想ですが)。
さて、今回はそんな鏡池のお隣、戸隠森林植物園を歩いてみましょう。
こちらは観光客の皆さんに意外と知られていないのですが、多様な生態系が保護・保全されている園地。
整備された遊歩道を歩きながら、小さな草花や、野鳥のさえずりに親しむことができます。

合い言葉は「やさしいきもち」。

十分な幅員があるバリアフリー歩道。車椅子、ベビーカーでも楽しめます。

初めに目に入った赤はマユミの実。

見上げればヤマウルシの紅葉が!

要所要所に道標があるので安心です。

木漏れ日が心地よい水芭蕉の小径。ツタウルシが色鮮やかです。手前の白い花はオオバセンキュウ。

足下にはハート形のカツラの紅葉。

奥社参道随神門へ続く杉の森。森の精霊に出会えそう!

あがりこ(昔の人が薪にするため雪の上で少しずつ切ってできた奇形の木)のウダイカンバに遭遇!

小さくても存在感のあるオオシラヒゲソウ。奥社参道にて。

森林植物園の入り口にある学習施設「八十二森のまなびや」は入館料がどんぐり1個(無料!)。

オムツ替えできるトイレもあり、小さいお子さん連れでも十分楽しめます。
この秋、ゆっくり静かに紅葉を見たい方、自然の中でリフレッシュしたい方におすすめです!
2012年08月22日
夏から秋へ
こんにちは。たくさんのお客様をお迎えしたお盆休みが終わり、
少し静けさを取り戻した戸隠です。
市街地では目がくらむような猛暑が続いていますが、
戸隠高原に吹く風は、既に爽やかな秋の空気をはらんでいます。
季節の移ろいを確実に教えてくれるのは、自然の営み。
秋そばの花も少しずつ咲き始め、新そばが待ち遠しい今日この頃。
紅い花を咲かせてつるを伸ばしているのは、花豆。
実りの秋が近づく戸隠へ、どうぞお出かけください。