2013年10月17日

戸隠の紅葉伝説(その4)

戸隠の紅葉伝説(その4)
こんにちは。またしばらく更新を休んでいる間に、季節は秋から冬へと一歩踏み出しました。
今日は戸隠山と高妻山がうっすら雪化粧。
外出時にはジャンパーやフリースを、室内でも暖房器具がなければ落ち着かない寒さです。
さて、鬼女紅葉祭りを今週末に控え、今回も鬼女紅葉伝説にちなんだお話を。

こちらは、昨年お届けした紅葉伝説の中でも少しご紹介しましたが、トップ写真の小鳥ケ池からもほど近い場所にある硯石です。
戸隠の紅葉伝説(その4)
鬼女紅葉の配下で、千里を駈ける女丈夫だったというおまんが、平維茂との戦いに破れて逃走途中に水を飲もうとして立ち寄ったという場所。水面に映った自分のあさましさに我を省みて悟り、以後仏法に帰依したとも伝えられています。

硯石がある場所からは「紅葉の岩屋」がある荒倉山塊を見渡すことができ、
例年10月下旬頃には樹々の紅葉が楽しめる絶景ポイントでもあります。
戸隠の紅葉伝説(その4)

そして、鬼女紅葉と直接は関係ありませんが、鬼にちなんでもうひとつ。
先日、戸隠山顕光寺時代、代々別当を勤めていた久山家(旧本坊勧修院久山館)で貴重な資料にお目にかかりましたのでご紹介します。
久山家に伝わる「戸隠山物語」です。上下二巻からなるお話で、ご主人によると、文字はおそらく平安時代に書かれ、絵は後世(江戸時代)に加えられたのではないか、ということです。※写真はレプリカ
戸隠の紅葉伝説(その4)
内容は、信濃の国を荒らしているという鬼を武士が退治に来るというストーリーで、
鬼が女中に化けて武士に酒を盛る展開など、ところどころに鬼女紅葉伝説と重なる部分があります。
しかし、登場する武士は平維茂ではなく、吉備の国の大臣。場所を表す言葉は「信濃の国の国境」だけで、「とがくし」の文字は書かれていないそうです。
現代語訳はないということですが、ふっくらとした平安文字、挿絵の彩色の美しさを垣間見ることができ、感激でした。

山々の紅葉も、もうすぐハイライトを迎えます。
戸隠の短く貴重な秋。五感を充分働かせて楽しみたいものです。



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