2014年03月10日
「雪上戸隠参拝ウォーク」レポート(後編)
戸隠は今日も氷点下。朝から季節を間違えたかのような雪がしんしんと降っています。2月の大雪で、もう雪はうんざりという方もいるかもしれませんが、戸隠の冬に雪はつきもの。「雪上戸隠参拝ウォーク」の後半戦、どうぞお付き合いください。
越水ゲレンデを出発し、奥社の杜、戸隠森林植物園を通過し、鏡池入口のそばの実に到着した一行。
おいしい戸隠そばで腹ごしらえをした後、小鳥が池のある雑木林を経由して戸隠神社中社を目指します。
枝の間に熊棚(クマの餌場)がある木。幹にはクマの5本の爪痕が残っていました。上信越高原国立公園内にある戸隠高原はツキノワグマの生息地。こういう光景は珍しくありません。
スノーシューをいったん脱いで県道を渡り、戸隠神社中社へ参拝。このツアーの名称は「参拝ウォーク」なので、神社を外すことはできません!
手水舎の前で神職のガイドから手水の作法の講習を受け、冷たい清水で清めてから本殿へ。
中社の神様は天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)。天の岩戸にお入りになった天照大神様にお出ましいただく方法を考えられた知恵の神様です。今年も受験生が多数訪れたことでしょう。

さて、ここから先は、観光客はもちろん、地元の人も滅多に歩いたことのない空間。中社青龍殿の後方から中社の杜へお邪魔しました。
目指すのは戸隠スキー場中社ゲレンデ。比較的空いているので、静かにスキーやスノーボードを楽しみたい方に人気です。

今回のツアーの目玉として、スキーやスノーボードを履かない方にも戸隠スキー場からの絶景を楽しんでいただけるように、特別にスノーシューを持ってのリフト搭乗が計画されました。が....あいにく、太陽は分厚い雲に覆われ、冷たい北風が吹き始めました。
中社第一ペアリフトでゲレンデを上ると、こんな景色。
晴れていれば戸隠連峰はもちろん、北アルプスや遠くに富士山まで見渡すことができる場所ですが、今日は残念。左側にうっすらと見えているのは鬼女紅葉が隠れたという荒倉山塊です。

瑪瑙山を前方に眺めながら、緩傾斜のゲレンデを歩いてゆくと、中社第2リフトに到着。リフトの係員は男前のお兄さんでしたよ

晴れていればこのリフトからの眺めも最高ということですが、残念ながら...

標高1549m、怪無山の山頂に到着!ここで再び、スノーシューを履いたご一行。林の中を下ってゴールのゲストハウス岩戸を目指します。
曇天の中ですが、大学のスキー部など多勢のお客さまが滑りを楽しんでいる中の移動。晴れていれば、こんな景色が見られたことでしょう。

さて、この後、ドリームコースと岩戸コースの間の林を下ったのですが...ゴメンナサイ!ショートカットを狙って急斜面を降りたら、新雪に足を取られ、撮影をする余裕がありませんでした


今回の取材では一眼レフとiPhoneを持参していましたが、iPhoneは気温が低すぎると(おそらく零下)電源が落ちてしまうということがわかりました(一眼レフもシャッター関係が不調になりました)。貼るカイロで温めてどうにか復活しましたが、次回は、もっと操作しやすいコンパクトカメラを持参したいと思います。
そんな反省を胸に、無事下山。すると、雲に隠れたはずの戸隠連峰が出迎えてくれました!

ガイドさん情報により、望遠レンズで除いてみると奥社参道杉並木や、奥社本殿の一部が見え、また感動

午後4時。予定時間を若干遅れてゲストハウス岩戸前に無事全員が到着し、お開きとなりました。
今回、スキー場開場50周年を記念して特別につくられたコース。実際歩いてみるとかなりハードな行程で、腰から下がだるい感じでしたが、参加者の方からは、「よい運動になった」とか、「普段は歩けない場所を歩けて楽しかった」とうれしい感想が聞こえました。
ゲレンデにはまだまだ新雪が降り、例年の3月とは思えないほどの雪質が維持されています。
残りわずかとなりましたが、まだまだ遅くありません!スキーヤー、スノーボーダーの皆さま、戸隠スキー場にて魔法の粉雪と絶景をお楽しみください!
2014年03月10日
「雪上戸隠参拝ウォーク」レポート(前編)

こんにちは。啓蟄を過ぎてもまだ気を抜けない寒さが続く戸隠です。
大人はもう雪は嫌だなんて弱音を吐きますが、子供たちは新雪が降れば大喜びで遊んでいます。
さて、今回はそんな子供心忘れない大人のための雪遊びイベント、戸隠スキー場開場50周年を記念して3月7日(金)に行われた「雪上戸隠参拝ウォーク」に参加して参りましたので、写真とともにご報告します!
この日は前日までの雪も上がり、青空も見えるまずますのお天気に恵まれました。
集合は戸隠スキー場越水ゲレンデのゲストハウス岩戸。
出発前にレンタルスノーシューをフィッティング。スノーシューは長靴やスノーブーツに装着できる西洋かんじき。初めてでもコツを覚えればすぐに装着でき、新雪の上を歩くことができます。今回は新雪が降った後なので、ブーツやパンツの丈が短めの方は雪が入ってしまわないようにスパッツを付けていただきました。

戸隠地区外から6名(1名は東京から!)、地区内から4名、計10名の参加者とスタッフ6名が加わり、賑やかにスタートです。
スキー場の第5駐車場からの眺め。戸隠連峰はこの後、雲に隠れてしまいそうなので、初めに目に焼き付けておきましょう。
まずはスキー場からほど近い越水ヶ原の雪原で足慣らし。ミズナラやシラカバの雑木林が広がります。

今回のガイドは、鳥や植物に詳しい人、戸隠神社の神職、そば打ち職人と、個性的な面々。道中には豆知識がいっぱい、参加者を飽きさせません!
豆知識その①
雑木林の木々をよく見ると、ツル植物が絡まっている木がけっこうたくさんあります。こちらはイワガラミ。つるアジサイに似た花を咲かせます。
豆知識その②
テンの足跡。エサを求めて雪原を走り抜けた跡がくっきり。
豆知識その③
ツルマサキ。こちらは珍しい常緑のツル植物です。
県道36号線を横断し、戸隠神社奥社の社へ。大鳥居が見えると喜びの声を上げる人も。

ご存知、奥社参道は立春・立冬の際に太陽が正中線(参道の真ん中)を通るように設計されています。
立冬から冬至までは太陽のない、死の世界。冬至から立春にかけて徐々に生命体が活動を初め、立春に生命体が甦るという「生命復活」のストーリーを踏んだ設計はこの場所の神聖さを際立たせます。
奥社へ向って左側は湿地、右側は乾燥した雑木林でたくさんの巨木が存在します。
ということで、右側の森へ進路を進めます。
専門家も賞賛するというダケカンバの大木。
こちらもダケカンバ。その色艶の良さから「戸隠のヴィーナス」と呼ばれているとか!?
触っておけばご利益あるかな

奥社の杜を30分ほど歩いた頃、現れたのはご存知、ミズナラの巨木「王様の木」

王様の前で、しばしティーブレイク。周囲には高木がなく、広場のようになっています。夏には根曲がり竹が繁茂する薮になり、王様全体を見ることができないということで、ますますこの奇跡的な出会いに感動!
参加者の皆さんも、思い思いに写真を撮ったり、お菓子で疲れを癒しました。
王様とお別れしてから10分ほど歩くと、奥社参道に合流。随神門に到着です。
冬期は雪崩の危険があり、本殿まで行くことはできないので、杉並木の前で奥社と九頭龍社を遥拝。
全員で記念撮影をしました。

時刻は既に正午を回り、お腹も空いて来た頃。この後、戸隠森林植物園内を急ぎ足で、通り抜けることに(撮影も省略しました

雪の下に隠れた水芭蕉の小径を通り、高台苑地を登り下り、みどりが池を通り過ぎ,,,ラッセルがない新雪の上を歩けば太ももが鍛えられ、シェイプアップ効果もありそうです!
雪上をひたすら歩くこと小一時間。ついに昼食会場のそばの実へ到着!スノーシューを脱いだときにはスキー靴を脱いだときと同じような解放感がありました


長時間歩き、体がポカポカになった私は、迷わず冷たいおそばを注文!

瑞々しく、コシがあって美味

一般的なスノーシューウォークならお昼を食べて解散...の場合が多いですが、今回は戸隠スキー場50周年スペシャル!
ということで、この後、意外な展開が....

「雪上戸隠参拝ウォーク 後編」へ続く。
2014年02月25日
戸隠で「おら家の逸品」を味わう(3)

こんにちは。2週間連続の大雪を経て、先週末は晴天に恵まれ、ほっと安堵した方も多かったと思います。
信州では西高東低の冬型で日本海側が大雪になる際の雪を「下雪」、本州の南岸沿いに低気圧が進み、信州南部、山梨、関東方面に降雪があったりする時の雪を「上雪」といいます。雪質も下雪は粉雪で、上雪は水っぽいボタ雪。例年3月を過ぎて「上雪」が降ると、春が近いといいますが、今季は異常な上雪。震災から4年目の春を迎えるに当たり、災害時の対応について改めて考えさせられる気象現象でした。

さて、この大雪の「おかげ」か「仕業」か、例年並みの雪の壁ができ、銀嶺をバックに雪景色が最高潮に見頃を迎えている戸隠です。そんな雪景色と合わせ、この時期にしか味わえない「おら家の逸品」をご紹介します。
まずは戸隠神社奥社前をスタート。

雪で1.5メートル(目測)ほど高くなった奥社参道。大鳥居の前から奥社・九頭龍社を遥拝します。
※奥社参道は防寒長靴やスノーシューの装備で途中まで歩くことはできますが、随神門から先は雪崩の危険性があるため、お薦めできません。また奥社・九頭龍社の神様は冬期間は中社にご動座されており、お札・お守は中社にてお求めいただけます。
駐車場から数分歩いただけでも耳が冷たくなる寒さ。
そんなときにおすすめなのは、ご存知奥社前なおすけさんのこのお蕎麦。

冬期限定の「海老天あんかけそば」(1,400円)です。
白い湯気を放つお蕎麦とともに女将さんから差し出されたのは、ティッシュ箱。
あつあつのトロミが絡んだ麺は、喉から食道、胃袋へと、通っていくのがわかるくらいの温熱効果!
大きな海老の天麩羅も食べ応えがあって、大満足でした。
なおすけの「海老天あんかけそば」は4月3日までの冬期限定。
アツアツの体験、おすすめです!
お次ぎは中社の大鳥居前へ。
大鳥居前の広場には3/1(土)に行われるTheべ~そ雪の上の大酒宴の会場が設営されています。

毎年話題の人をかたどる雪像。今年の主役は、この人!

下の方にはスケートシューズが光っていますね。そう、ソチオリンピックで健闘した浅田真央選手です。
そして、中社大鳥居前といえば、うずら家さん。

グリーンシーズンは行列なしには入店できない名店ですが、この時期はほとんど待たずに席につくことができます。
うずら家に冬訪れたなら、ぜひ食べてみたいのが、冬期限定の「とり南ばん(1,200円)」。

北の大地で育った知床鶏と、焦げ目がついたねぎがたっぷり入ったアツアツのおそばです。
キャッチコピーに「旨味こってり」とある知床鶏。実際に食べてみると、その柔らかさに感動

そして、鶏の旨味が溶け込んだ出汁とそばはもちろんのこと、香り付けに入れられたゆずも絶妙でした。
ご主人にお話を伺うと、とり南ばんは15年以上つづくの冬の看板メニューで、リピーターも多いとか。
鶏の相方として欠かせないねぎには、深谷ねぎ等も試したそうですが、やはり寒い土地で育った地ねぎを使用。
殺菌効果のあるねぎのとろみ成分は、かぜ予防にも○ですね。
うずら家さんでは、10月から11月に収穫される新そばを厳寒期の1月から2月に石臼挽き製粉しています。
これを冷凍保存し、年間を通してお客さまに新そばの風味を保ったおいしいそばを提供しているそうです。
たまたま店内では石臼挽きの作業中。ご主人を初め、経験豊富なスタッフが、交代で石臼を挽いていました。

スタッフの方に勧められて私も体験してみました

石臼は意外と重たく、廻しながらそばの実を投入するのにも手こずりました

1回転で10粒ぐらいずつそばの実を穴に落としながら挽くそうですが、一廻しするだけでどんどん粉が出てくるご主人の手さばきは、お見事でした


うずら家のとり南ばんは11月末から3月31日まで。
この季節にしか食べられないものを食べる幸せ。ぜひご堪能ください。 続きを読む
2014年01月21日
「戸隠どんど焼き祭り」レポート

こんにちは。大寒を迎え、1年で最も寒い季節となりました。今年は雪の量は少なめですが、冷え込みは例年以上に厳しいようです。
さて、今回は1月18日(土)に戸隠スキー場中社ゲレンデで行われた「戸隠どんど焼き祭り」のご報告です。
昭和45年に戸隠国営スキー場(現中社ゲレンデ)が開設され、その3年後ぐらいから始まったのがこのイベント。
当時はスキー感謝祭と称し、中社地区の宿舎対抗レース、ボブスレー、バイアスロン等のレースも行っていたとのこと。
そのうちの一部が現在のTheべ〜そに引き継がれたそうです。
今年は戸隠スキー場50周年ですが、どんど焼き祭りにも40年近い歴史があったのですね!

毎年1月15日に中社地区(道祖神前)で行われるどんど焼きの種火をとっておき、
イベント当日は、地区内外の参加者とともにこの種火を中社の道祖神前で松明に灯し、中社ゲレンデに組まれたやぐらまで運びます。
今回は松明行列の写真が撮れず、スミマセン…。

種火が運ばれる間、中社ゲレンデ会場では戸隠神社の神官によるどんど焼きの御神事が行われました。
五穀豊穣、商売繁盛、家内安全等を願う祝詞が奏上された後、戸隠どんど焼き祭り大会長を初め代表者が玉串を奉納。

最後は一般の参列者も二礼二拍手一礼で参拝。
神事が終わると、どんど焼きのやぐらと向かい合うように設営された雪上の舞台にて
戸隠のイベントには欠かせない戸隠太鼓の演奏。
雪も降り始めましたが、迫力ある太鼓の響きと、意気のあったパフォーマンスに少し寒さを忘れました。

中社の道祖神前で焚かれた種火が地区内外の多勢の方のご協力により、ゲレンデに到着。
その後、灯はスノーモービルで中社第一リフトの上まで運ばれ、戸隠中社スキー学校の皆さんによる松明滑走に継がれました。

雪の中に浮かぶ松明の灯はとても幻想的でとてもきれいでしたが、寒さもとびきりでした。
一緒に参加した5歳の娘はじっとしていると寒いと言って、落ち着きなく動いていましたが無理もありません。気温は-7℃ほど(100m下の宝光社地区の温度計が−5℃でしたので)。
カメラのシャッターを押す手もかじかんで、自在に撮れません(と言い訳をさせてください)でした

松明滑走でゲレンデを下りてきた灯が、「祓火」として弓矢でやぐらへ放たれると、会場からはどよめきと歓声が上がりました。
みるみるうちにやぐらは燃え上がり、集められた松飾りやしめ縄、ダルマはあっという間に炎に包まれました。

そして、サプライズの花火!

今季はスキー場開場50周年を祝い、プログラムの合間にも何度か花火が打ち上げられました。
鏡開きも行われ、振る舞いの列に多勢のお客さまが並びました。

甘酒と紅白餅(素甘)の振る舞いも大盛況


前触れもなく現れたとがっきーの周りにはすぐに子どもたちが。

ステージの上には「ゴロピカ」の3人が登場!

炎を使った命がけのパフォーマンスに最初はハラハラドキドキしましたが、
和太鼓やジャンベの心地良いリズムに包まれてステージの前の観衆に不思議な一体感が生まれました。

フィナーレは戸隠どんど焼き祭り名物の雪上花火大会。

一般公募したメッセージ付きのお祝い花火は、
戸隠地区の繁栄を願うもの、孫の誕生を祝うもの、ソチ五輪出場の選手への応援等々
それぞれ心温まるメッセージが読まれた後に盛大に打ち上げられました。

初めて至近距離で打ち上げ花火を見た娘は、お腹に響く花火の音に驚き、「こわいー、帰りたいー

寒さも訴えていたので、やむを得ずフェードアウト….。
この後、祝スキー場50周年の仕掛け花火が点火され、大変盛り上がったようです。
今回の戸隠どんど焼き祭りの参加者は1000名以上。
年に一度の祓い火を受け、今年も一年健康に過ごせそうです。 続きを読む
2013年09月06日
戸隠古道歩きのすすめ。

こんにちは。雨の多い一週間となりました。
山は今日も雲の中ですが、空には風に遊ぶ鳶、野にはそばの花、黄金色の稲穂、花豆の赤い花...高原の秋は色彩に溢れています。
暑くもなく、寒くもない、戸隠を歩くのはぴったりの季節です。
ということで、今回は戸隠参拝古道歩きのおすすめ。
一之鳥居から始まるかつての戸隠神領域に残された、戸隠参拝古道。
一之鳥居から中社まで53丁、中社から奥社まで36丁、総距離は約10kmに及びます。
雑木林の中に続く道を、生き物の営みを感じながら歩くのもいいですが、
こちらの拓本集印帳を片手に、古の物語をひもときながら歩いてみるのはいかがでしょう。

今年度のパンフレットにもご紹介しておりますが、戸隠古道の史跡や景勝地等30ヶ所に、石碑が建てられ、拓本集印ができます。

たとえば、こちらは、中社駐車場の山側の道を進んだ所にある女人堂跡。
その昔、奥院は女人禁制だったため、女性はこの地から遥拝したといわれています。奥院道と越後道の分かれ道でもあり、「右えちごみち 左 おくのいん」の道標が建っています。この石碑をよくみると、上部に凹みがあることに気が付きます。
梵字が刻まれていた跡で、明治の廃物希釈の際に、削られたそうです。
各所の印のデザインにも、歴史物語の一幕がよく表されています。
こちらは女人堂跡の先にある「女人結界の碑」のデザイン。

こちらは戸隠キャンプ場入口近くにある「念仏池」のもの。

鎌倉時代に、戸隠参詣にいらした親鸞上人が発見したといわれる念仏池。
上人が「南無阿弥陀仏」と唱えると、ぶくぶくと砂を吹き上げたと伝えられています。
このように、その場所に残された歴史の片鱗についての知識があれば、歩く楽しみも増しますね。
戸隠古道の歴史を詳しく知りたい方は「古道を歩く戸隠神社五社めぐり」(信濃毎日新聞社)が参考になります。戸隠観光案内所や蕎麦店、土産物店でも購入できます。
また、地区内の旅館の主人のガイドによる「戸隠参拝古道五社巡りウォーク」も定期的に開催しております(次回は10月4日(金)、31日(金))。
ご興味のある方は奮ってご参加ください!
そして、30個全て集印された方は、戸隠観光案内所にてささやかな記念品を贈呈致します。

観光協会オリジナルの印もありますので、ぜひお立ち寄りください。

2013年08月05日
古民家でおばあちゃんの昔話を聞く。
こんにちは。7月下旬から雨が降ったり止んだりの梅雨のようなお天気が続く戸隠。
朝晩は涼しく、タオルケット1枚では肌寒く感じることもあります。
寝苦しくて眠れなかった都会ぐらしを思い返せば、天国のような環境に感謝です。
さて、今回は夏の休日、戸隠のとある古民家で行われた「戸隠さんぽ隊 古民家でおばあちゃんの昔話を聞く会」のご報告です。
6月に立ち上げ、これまでに3回、地区内を歩き、住民目線で戸隠の魅力を発見しながらMAP制作の下準備をしてきた「戸隠さんぽ隊」。
次世代に残していきたい戸隠の魅力とはなんだろう、
と考えたときに、さんぽで発見した自然風景はもちろんですが、
やはり、子育て中の私たちが歴史や文化というものをもっと知り、
子どもたちに語り継いでいければとの思いを込めて「昔話を聞く会」を開催しました。
会場は戸隠支所のある豊岡地区の南側の田園地帯の一角にある築80年のお宅です。
この秋、体験型民宿「戸隠ゆったり庵」としてオープン予定で、現在内装工事中ですが、さんぽ隊の主旨にご賛同いただき、30畳近くある広間を使わせていただけることに。
庭からは、前回のさんぽ隊で歩いた柵地区が遠望できます。
日曜日とあって、パパや夏休み中のお兄ちゃん、お姉ちゃんなどご家族でお出かけくださった隊員の皆さん。合計で10家族、32名が集まりました。

語り部は元小学校の先生でもあり、未就園児とママのための子育て学級を立ち上げるなど、戸隠の子どもたちと長年関わってきた、子育ての大先輩、宮下英子さん。
戸隠神社中社の樹齢800年とも千年ともいわれるご神木・三本杉にまつわるお話を、子どもにもわかりやすいようにパネルシアター(ネル生地を貼った板=パネルに、不織布に書いた劇画をのせると、くっつくしかけ)で語ってくださいました。
三本杉については、いろいろな言い伝えがありますが、今回は、八百比丘にまつわるお話。
〜三本杉のお話 あらすじ〜
若狭の国の漁師は、奥さんを亡くしてから3人の子どもと暮らしていました。
漁の最中に人魚を捕まえて殺し、その肉を家に持ち帰り、戸棚にしまいました。
翌日、父の帰りを待っていた子どもたちは、お腹がすいたので、戸棚にあった肉を食べてしまいました。
「人魚の肉を食べた者は人魚になる」という言い伝えのとおり、子どもたちは3日もたたないうちにひれが生え、鱗がついて、人魚になってしまいました。
子どもを失った漁師はすまないことをしたと、悲しみに明け暮れていましたが、
ある夜、「生き物を殺した罪と人魚の魂をつぐなうために、信濃国の戸隠大権現へ行き、お参りをしなさい。3人の子どものために三本の杉を植え、戸隠神社を八百日お参りしなさい」とお告げがありました。
漁師は剃髪してお坊さんになり、「八百比丘」と名を改めて戸隠へと旅立ち、神社を八百日お参りして、お告げのとおり、3本の杉の木を三角の形に植えました。
人魚の肉を食べた子どもが人魚になってしまうという怖いお話ですが、おばあちゃんの穏やかで、よく響く声に、子どもたちはもちろん、さんぽ隊のお母さんたちも引き込まれるように聞き入っていました。
お話のあとは、お茶とキュウリでおしゃべりタイム。
ゆったり庵さんの手作りおやきもいただき、子どもたちとのんびり、ゆったりくつろぎました。
小さな子どもにお話を聞かせるのは、大変なことですが、
囲炉裏端に家族で集まり、おばあちゃんの話をきき、お茶を飲む機会は、ここ戸隠でも失われつつあります。昔は日常だった一コマが、実は家族の絆や情報交換、文化の継承までいろいろな機能を持っていたのだと思います。そんな機能回復とまではいかないまでも、子育て中のお母さん達の交流、多世代交流の場として、またこんな集まりができたらいいなと思います。それが地域の魅力発信、すなわち、観光振興にもつながると信じて。
2013年04月04日
戸隠で音を楽しむ。

こんにちは。福寿草にフキノトウ、アズマイチゲの花も開き、畑にはトラクターとお百姓さんの姿。
いよいよ戸隠に春が来ました!
さて、今回は3月30日(土)に戸隠スキー場越水ゲレンデのレストランシャルマン戸隠で行われた「戸隠サロン〜魔法の音楽の夕べ〜」のレポートです。
このイベントは今年、開場50周年を迎える戸隠スキー場の記念プレイベントとして実施されました。
当日は寒の戻りで氷点下の冷え込みにも関わらず、戸隠地区内外から100名以上のお客様が参加してくださいました。
各種メディアでも報道されたので、ご存知の方も多いかと思いますが、今回のイベントではサプライズ企画として「震災ヴァイオリン」の演奏がありました。
震災ヴァイオリンとはヴァイオリン製作・修復の一人者、中澤宗幸さんが東日本大震災の後、陸前高田市の流木やがれきの木材などで製作したヴァイオリンの通称。ヴァイオリン内部で音を響かせる「魂柱」というパーツには津波に堪えた「奇跡の一本松」の一部を使っているそうです。

中澤さんはこの楽器の演奏を通して被災者の支援と、犠牲となった方の鎮魂を目的に、震災の記憶を風化させずに語り継ぐための活動「千の音色でつなぐ絆」プロジェクトを展開していらっしゃいます。
30日(日)は午後14時から戸隠神社中社にて3台目となる震災ヴァイオリンの製作完成奉告祭がありました。

戸隠神社宮司により、東日本大震災の復興と、亡くなられた方の鎮魂を祈願する祝詞が奏上された後、
長野市出身のヴァイオリニスト中村朋子さんによる献奏式が行われました。

厳かな雰囲気の中、演奏されたのは「荒城の月」、「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二章」、「故郷」の三曲。
心に染み渡るようなしっとりとした音色に、被災地の情景が浮かぶようでした。
中村さんと震災ヴァイオリンは、夜19時半から行われた「戸隠サロン」にも登場し、
そのパフォーマンスにお客様から拍手喝采が上がりました。

コンサートの第一部は弦楽四重奏。

長野県内で活躍されているヴァイオリニスト村石達哉さんとビオラ、チェロの奏者の方が出演しました。
「情熱大陸」など耳馴染みの楽曲からクラシックの名曲まで素敵な音色を響かせてくださいました。
ワイングラスを片手にしたお客様がほろ酔いになった頃、
第二部としてジャズバンド「牧さちこ with Frying Notes」が登場。

須坂市在住のジャズシンガー、牧さちこさんの艶やかな声が戸隠スキー場の夜空にマッチしてぐっと大人のムードに。
夜のシャルマン戸隠を利用して行った初めての「戸隠サロン」。
アルコールやソフトドリンク、軽食も用意され、歓談を楽しみながら和やかな雰囲気に包まれていました。
戸隠スキー場は4月7日(日)に今シーズンの営業を終了しますが、来シーズンは盛り沢山の50周年記念イベントを実施予定です。
どうぞご期待ください!
2013年03月04日
雪上ウォークは空中散歩!?

こんにちは。厳しい寒さの二月が終わり、弥生の名のとおり、木々の萌芽が始まりました。
雪原を歩けば、頭上に野鳥たちの囀りが響き、春の気配にわくわくします。
今回は、昨日(3月3日)行われた戸隠を知る会主催の「戸隠雪上自然観察会」のレポートです。
前日は地吹雪の荒れ模様でお天気が心配されましたが、当日は風もなく絶好の自然観察日和。
日向に出ればほんのりと温かく、嬉しくてたくさんシャッターを切りました。
県内外から集まった参加者(約40名)全員で軽いウォーミングUP。最年少は小学2年生です!

この後、スノーシューは3グループに分かれて戸隠神社奥社参道脇の雪原へ。
クロスカントリースキーは鏡池までのロングトレイルへ出発!

私は戸隠地質化石博物館の学芸員中村さんが率いるチームにご一緒させていただきました。
「今歩いている場所は2メートル以上の雪の上。雪がなければ空中を歩いていることになりますね」と言われ、気分が上がります

早速、新雪の上に何者かの足跡を発見!

肉球の形からテンでは・・・?と推測。
ミズナラが多数を占める森。
見上げれば、ヤドリギがたくさん。

こちらはお盆に樹皮が焚かれるダケカンバ。
乳白色の樹皮が雪原に映えます。

樹皮が漢方薬にも使われるキハダ。苦いそうです。

ヤマブドウのツル。下から上へ絡んでまた下へ。
自然の造形は不思議がいっぱいです。

この樹にもいろいろな生命が絡み合って生きています。

コケも間近で見ると面白い!

萌芽シリーズ
1トチ:動物に食べられないよう、芽がベタベタしています。

2サワグルミ:白くなっている部分をよく見るとサルの顔みたいでかわいい


3オオカメノキ:5月頃に白いアジサイのような花が咲くそう。

今日は複数のパーティが入って賑わっていたので、鳥の姿はあまり見られませんでしたが、シジュウカラやコゲラの囀りが聴こえてきました。
こちらは、ケラ類がドラミングした跡(巣穴ではなく、試しに突いたようです)

そして、樹齢400年とも500年ともいわれるミズナラの大木「王様の木」に到着!

この樹が見たくて、今日参加したという参加者からは歓声が。
スケールを使って王様の身体測定。

雪上に出ている幹の中間部分(胸部観測というそう)は6m5cmでした!
広葉樹林を離れ、随神門に到着。

名物・杉並木は、昨年DNA鑑定が行われ、そのルーツには中社の三本杉から挿し木をしたものがあることがレクチャーされました。

雪融けの時期や雨上がりには、ブナが水を吸い上げる音が聴こえるんですって!?
聴診器がないと難しいかな...

急に日が陰って北風が吹き、時折雪混じりに。ゴールはもうすぐ!

ここまで2時間弱の行程でしたが、慣れないスノーシューの走行で脚に疲労感。
けれど、この時期にしか見られない樹や植物と出会えて大満足

お昼は奥社前なおすけさんの名物の鴨ざるそば(1500円)で。お疲れさまでした!

2013年01月08日
迎春
明けましておめでとうございます。
本年も戸隠の日常風景と旬の情報をゆるりとお届けして参りますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
松の内を過ぎ、皆様の胃腸の調子はいかがでしょうか?
かく言う私はお正月のおもてなし疲れと冷えのせいか、ここ数日体調を崩しておりましたが、
昨日は七草粥を食べて心身ともにリセット。この絶妙なタイミング!
日本の食文化はよくできているなと感動した年の始めです。
今日は昨年末のブログでもお知らせした戸隠雪中酒の蔵置の日。
戸隠神社宝光社社殿の横には、前日の作業で集められた雪が、新酒を待ち構えていました。
晴天に恵まれたものの、気温はマイナス2℃。
しかし、戸隠つちの子会を中心とする十数名のスタッフからは寒さを吹き飛ばすような
気迫と雪中酒に対する熱い思いが沸き上がっていました。

雪室に納められた新酒は一升瓶・四合瓶合わせて2600本。
これから4月上旬までしばしの「冬眠」です。
一定の湿度・温度に保たれることで、新酒特有の荒さがとれ、まろやかな舌触りに熟成されます。
蔵出しは4月上旬。
販売開始は4月下旬(要予約)です。
どうぞお楽しみに!
お問合せ先;戸隠雪中酒販売組合(地酒処 越後屋酒店、戸隠そば山口屋、おみやげ処宝泉)
2012年12月06日
戸隠雪乞い祭りレポート

こんにちは。
師走を迎え、本格的な冷え込みが始まると同時に、野沢菜漬けが食卓に上がる時季になりました。
皆さま、お風邪などひかれていませんか?
今回は、少し遅くなりましたが、12月1日土曜日に行われた戸隠雪乞い祭りの様子をご報告します。
当日は、前日までの好天が嘘のように、未明から大荒れの空模様。
午前8時半に戸隠神社中社の気温はー5℃!
「こんだけ降ってれば乞わなくてもいいんじゃ…」という声も(笑)。
水を汲む(“お借りする”というそうです)スタッフは防寒着の上に白装束を着込み、
意を決して信濃町の種池へ向いました。

黒姫山の麓にある種池は、古来から干ばつの年にこの池の水を汲んで
戸隠神社に雨乞いを祈願するとその里には必ず雨が降ると言い伝えられている池です。
降りしきる雪の中、雪に埋もれた道なき道をずぼずぼと進むこと15分。
すっかり凍結し、真っ白な雪原と化した種池が現れました。

池の前にある岩に、即席で祭壇を設けます。

池の氷を割り、桶2杯に水を汲みました。

お借りした水を祭壇に挙げ、戸隠神社の神官が祝詞を奏上、
スタッフが玉串を奉納し、お水借りの神事がひとまず終了しました。
お水を汲んだ白装束のスタッフは、この後、スキー場でのお水撒きが終了するまで
しゃべることも、後ろを振り返ることも禁止されています。
このしきたりは、戸隠神社の二年参りで行われる「無言の行」の流れを汲んでいるそうですが、
雨乞いの為にこの地を訪れたという先人達に至っては、自分の村に帰るまでこの禁則があったということ。
それだけ、神聖な儀式なのです。
雪中から掘り出し、お借りして来たお水は一旦戸隠神社中社へ。
本殿にて、清められました後、戸隠スキー場越水ゲレンデへ運ばれました。

例年は祭事の最中に吹雪に見舞われることはないのですが、
今年は関係者約30名が柄杓でお水を撒く頃には、猛吹雪!
髪の毛も凍り付くような寒さの中、
「雪よ〜ふれ〜」などと声をあげながら水を撒く姿は滑稽とも思えましたが、
スタッフのの懸命な思いは大神様に伝わったはず。
今シーズンは最高の「魔法の粉雪」が期待できそうです!?

戸隠スキー場はいよいよ今月15日オープン。
今シーズンはお得なリフト券付き宿泊パックもご用意しております。
ぜひ、ご家族・ご友人の皆様でお出かけください!
2012年10月22日
鬼女紅葉祭りレポート

こんにちは。
10月も後半に入り、山々が紅や黄色の羽織をまとい、目を奪われるような光景が広がる戸隠です。
今年は紅葉の見頃が例年より遅めですが、山々が冠雪するまでのこの期間は、とても貴重に感じます。
さて、今回は10月21日(日)に荒倉キャンプ場で行われた第54回鬼女紅葉祭りのご報告です。
朝から晴天に恵まれたこの日、
公共交通機関の通らない中山間地のお祭りにもかかわらず、
地域の方を中心に県内外から総勢300人程の人達が荒倉キャンプ場に集いました。

午前10時から荒倉キャンプ場下の紅葉稲荷社にて鬼女紅葉供養祭が行われ、

11時からはキャンプ場内の能舞台にて各団体の出し物が始まりました。
地元追通(おっかよう)連の獅子舞の舞台では、ベテランの大人たちの中で、
若干3歳の男の子が鐘を鳴らすかわいらしい光景も見られ、拍手喝采。

この間、紅葉の岩屋ガイドウォークも行われ、
鬼女紅葉ファンの参加者が、往復1時間半程のトレッキングを楽しみました。

そばやうどん、おやきや地元野菜の販売のほか、甘酒の振舞いもあり、おいしい匂いが漂う会場。
お昼には、恒例の振舞い餅つき。
お客さんの中から我こそはという力持ちの男衆が交代で餅を付き、
たちまち行列ができる大盛況。
辛味大根でいただくつきたてのお餅の味は格別でした!

午後からは、長野颯々会の皆さんによる仕舞と謡曲の講演。
「紅葉狩」の舞台であるこの地で聴く素謡「紅葉狩」は特別の響きがあるように思いました。

その後も、ゴスペル、演劇と楽しい舞台が続き、ほのぼのとした雰囲気のお祭りとなりました。
晩秋の好日。地域の人々に受け継がれ、54回を迎えた鬼女紅葉祭り。
今後も次世代に残していくため、広く皆様にお越しいただけるよう、
長野駅からのアクセスについては再検討したいと思いを新たにしました。